青の白雪姫9【オビ】 (ページ37)

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──────パチッと目を開けると

貴「ここ、は…」

知らない場所に立っていた

「どうしました！？」

人の声！？

バッと声のした方を向くと肩までの髪の長さの男と、道端でうずくまっている女の人が居た

てか、男の方ってなんか見覚えが

貴「──────…エイセツ、どの？」

あれは、なに？
まだ少し若いエイセツどのが、居て、……うずくまっている女の人は泣いていて

なに、これ……。二人には私が見えていないように動いていて

─────ここってもしかして

エイセツどのの昔の記憶、？

エ『もしや三日前の火事に居合わせたのか？』

ハッとエイセツどのの声で思考が止まる。チラリと二人を見ると
女の人は服の端が焦げていて、何か困っている様子に見えた

「ええ。お屋敷で雇って頂いていて…」

エ「じゃあ送るよ」

「いえ、火事で当分仕事が無くなってしまって、暇を告げられ出てきたのです」

エ「追い出されたのか？
ひどいなあ。今度言っておくよ」

「……あなたは…？」

エ「ふふ。貴方は？」

「……。カゲヤ・イリーズと申します」

カゲヤ・イリーズって…！！！さっきエイセツどのが言ってた人物、？

こういう人だったんだ…。黒髪でとても綺麗な方だな、カゲヤ・イリーズ、さん…

それから二人について行くと、カゲヤさんは庭師をしていて仕事を失った後、他に雇ってくれる家が無いか訪ねてまわっているとエイセツどのに話していて

お金が必要だと言った

そしてエイセツどのはカゲヤさんに「うちに庭があるよ」とカゲヤさんを雇ったのである

ふわりと景色が変わる

目を開けた時にはカゲヤどのは楽しく庭師をやっていて、それを嬉しそうに眺めるエイセツどのが。横にいるのはシュウどの…

それからというもの、エイセツどのはカゲヤさんに手助けをしていた
何を言っても何を贈ろうとしても、カゲヤさんは給金以外一切受け取らなかった

また、景色が変わる

目を開けると庭で働いているカゲヤさんと何かを言っているエイセツどのが

カ「お優しいお心ですが
余計なお世話です。エイセツ様」

エ「だけどあなたを手伝いたい。
何か出来る事はない？」

カ「……」

なにか手伝いたいと言うエイセツどのに溜息をついたカゲヤさんは

カ「では。お花の苗を下さいな」

そう言った