月のマテリアルの少女は家に囚われる (ページ7)

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『因縁、あらわる』ページ7

「あーあー、エリリアやられちった。」

「えっ、やだ…！ウソ…。」

「ふふ。久しぶり、愛しい愛しい絵麻。」
ねっとりと、絡み付くような声を発する青年は、悪魔である。

「っ、あ…。」
がくんっ
瞬間、絵麻が倒れた。

「あー、寝ちゃだめだよー。」
そう言うと絵麻を抱き上げ、木のそばに置いた。

「君たち？絵麻を誑かしたの。」
振り向かず、言った。声だけで分かるほどの、殺気。

「「「「！！」」」」

「ぼく、リッド。魔界の…大公！」

「大公⁉」

「霧よ、汝らが望むものを現せ。」

ぼんやりと浮かぶのは、サーヤたちが大切にしているもの。
仲間、愛しい人。

「君たちがやったんだよね、許さないよ？」

ひんやりとした声で言うが早いが、あり得ない速さで徹平とレイヤを蹴り飛ばす。

「ねえ、絵麻。こんな人たち要らないよね？サヨナラしても、いいよねぇ？」

気絶している絵麻に尋ね、にこにこ笑う。

「炎よ！荒れ狂う獅子となれ！」

「ん？わあっ、久しぶりだね！懐かし～。」

「また絵麻を…！」

翔が叫ぶと、「べつにいいでしょ。ぼくのものだし、絵麻は。」などと言う始末である。

「絵麻さんはものではありません…！」

サーヤが言うと、「王女か。殺していいけど、ぼく興味ないんだよね。あっ、笛を吹かれたら面倒だね。吹いたら絵麻を呪い殺すから。」と脅す。

「翔！絵麻は気絶してるだけだ！」

翼が言う。

「…今日はやめだ。じゃあね。」

ちょっと解説コーナー

・リッド悪魔。絵麻に呪い？を掛けた張本人。話し方は鬼滅の刃の童磨をもとにしている。作者はなるべくストーカーっぽくなるように意識しています。ちなみに大公なのはウソです。