月のマテリアルの少女は家に囚われる

『痛き過去』 ページ5

「あの、絵麻さん、何か病気なんですか？」

帰り道、紗綾が翼に尋ねる。
「うーん、正確には、病気“みたいな”かな。」

「みたいな？」

「昔、小六くらいかな。おれ、翔、絵麻の三人でパトロールしてた時に、侯爵の悪魔に出くわしてさ。おれと翔、攻撃を受けそうになったんだ。そしたら…絵麻が庇った。その後ソイツにも逃げられたんだけど、その日から絵麻はアイツがいると眠ったり…。」

「えっ⁉」

「ある種の呪いだな。」

「そ、だから、」

ピロン

「あ、翔さん、携帯…。」

「？…絵麻⁉」

件名 なし
本文
翔たちとその後輩さんたちへ。もしかしたら、母親が悪魔かもしれない。
明日、余裕あったら来て。私ひとりじゃ対処できないかも。紗綾ちゃんは必須よ。

「……絵麻さん。」

紗綾たちは明日、絵麻を助けることを誓った。
　

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