草食と見せかけて肉食でしたseason2【東京喰種】

together23 ページ26

ｶﾞﾁｬｯ









貴「！！」









カネキの部屋を開けて飛んできたのは赫子。









それをギリギリでよけ、向き直る。









カネキ「に…肉…俺の…私のっ……」









貴「カネキ…」









カネキははしたなく涎を垂らし、ゆらりと揺れた。









カネキ「肉ッ！！」









叫んだ途端、地面を蹴って私の肩に飛びついてきた。









ﾌﾞﾁｨｯ









貴「あっ……ぐっ…」









肉を喰いちぎられる痛みに耐え、一旦赫子でカネキを突き飛ばす。









カネキ「あ…ぁあ………肉…肉…喰べて…喰べたくない…」









正気を失っているのか、言葉をうまくつなげれていない。









カネキ「肉…喰って、Aを守らなきゃ………もっともっと強くなってッ！！」









赫眼から零れたカネキの涙。









その間も次々と飛んでくる赫子。









カネキ「僕がAをっ…皆を守らなきゃっ……」









何かが崩れていくように流れ出すカネキの本音。









カネキ「僕が弱いせいでAがッ…！！」









貴「…………」









カネキの後ろに回り込んで抱き締める。









カネキ「ッはなせ！！はなせ！！」









暴れるカネキを押さえつけて、口を開く。









貴「お腹、空いてるんでしょ？」




カネキ「……っ」









目の前に腕を差し出すと飢えた野獣がよりいっそう涎の量を増やした。









貴「喰べて、いいんだよ……？」






私の了承を合図に、カネキは私の腕にかぶりついた。

together24→←together22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す