奇跡 ページ50
…あ、れ……？
僕は目を開ける。自分の体がまず1番に目に入り、次に地面や、草が見えた。生きて、いる
僕の手にぐりぐりと頭を押し付けてくる白猫が見えた。僕はそれを撫で返すと、しっかりと感覚が伝わってきた
生きている
雲「……」
僕は下に下げていた目線を上に上げた。そこには、震えながら祈るような姿勢でいるAがいた
雲「……A？」
無意識に呟いたその名前にAは反応し、バッと顔を上げた。
綺麗な赤色の瞳が見えた
貴方「あ……ぁ…っ…
____恭弥…っ！恭弥……！」
僕の名前を、あの子が呼んでいる
Aの手が、強く握りすぎたことで血が滲んでいた。なのにAは、僕のことを見て酷く安心したように息をついた後、目を見張った。僕の方は、視界が滲み、鼻がツンとした
貴方「恭弥…！！？どうしたの、恭弥！？まだ痛いの？」
雲「え……」
ぼたぼたと、僕の目からこぼれ落ちる涙に、Aは顔を真っ青にしてポケットを探っている
あの、Aが…生きている
それは数年間で凍えた心への、確かな暖かい光だった
雲「A…A……」
言いたいことがある。ずっとずっと言いたかった。毎日だって言いたかった
貴方「ご、ごめんね！ごめんなさい！痛かったよね、辛かったよね…っ！優しい貴方に無理をさせて…！私っほんとに、馬鹿なことして…！本当にごめんなさ」
雲「すき」
Aの謝罪を遮って伝えた。聞きたくなかったから…君が悪いんじゃないって、伝えたかったから
貴方「…！！」
Aは大きく目を見開いた。それが最初の喉に詰まっていた鎖を引きずり出した。僕は、今まで抑えていた感情をゆっくりと溢れさせた
雲「A…Aっなんだよね…？A…！だいすき、だいすきだよ…！すき…あいしてる、あいして……っ、もう、2度と、伝えられないと思ってた……！」
泣いてるからつっかえつっかえになってしまう。そんな下手くそな告白を、Aは酷く傷ついた顔で聞いていた。そうだよね。君だって辛い思いをしているのに、僕ばっかり安心して。ごめんね
雲「よかった…！！A、Aが、生きてる…っよかったぁ…！」
僕は顔に手をやった。Aの姿が見えないことが微かに不安だったけど、これ以上泣いてる姿は、少し恥ずかしかった
そっと小さい手が僕の手にふれる。その手は僕を撫で、僕の輪郭をなぞるように滑っていく
貴方「…恭弥…っ」
泣き崩れるように、安心したようにAが僕の名を呼んだ
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雛。(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 黒猫様、ごめんなさい…(´･ω･`)前回の更新からだいぶ間が空いてしまいましたね…気を付けます (2018年12月24日 9時) (
レス) id: f844b188b2 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - 待ってました！更新ありがとうございます！！ (2018年12月20日 10時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - 過去を持ち込んでくるとはｯ!!本当雛様神……これからどうなるのか楽しみにしてます！ (2018年8月23日 19時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 雲雀さん小さい頃の旅行の時、夢主とやった約束をずっと守り続けていたのに夢主自体がいなくなってしまって迷子のような気持ちですね…(´・ω・｀) (2018年8月23日 18時) (レス) id: 420098c989 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - あぁぁぁ！！ひばりさーーーーーーん！！！！！ (2018年8月22日 7時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀条雛
作成日時：2017年8月12日 23時
