夢 ページ49
雲雀が意識を手放した。
白色の銃は空気に溶け、その所持者は足の力が抜けたようにへたりこむ。
蘇芳色が徐々に美しく煌々と揺らめく赤へと変わるが、無表情は蒼白な、悲痛なものに変わっていく
記憶が濁流のように流れ込み、くらくらと目眩がしていた。
入江は賭けに出ていた。この日の日課を済ませずに、Aを送り出したのだ。
そのおかげで、最後の雲雀の笑顔が、塗り潰されかけていたAの意識を浮上させた
あまりにも悲しく痛々しい笑みにAは手を伸ばし、抱きしめなくてはと思ってもがいた。
だが…だが。はっきりとして自分の視界に映ったこれは、意識のない自分と戦って、血の気がなく蒼白で、ぐったりと後ろに体重を預けて座る、傷だらけの雲雀の姿
貴方「恭弥…」
がたがたと腕が震える。しろ…白蘭にされたことも思い出したからだった。雲雀の傷と白蘭との記憶で、Aは錯乱しそうになるのをなんとか防ぎ、匣を取り出した。金色の装飾が入った晴の匣
貴方「なお、な、治さなきゃ…」
空気の炎を注入すると、それは透過により晴の匣へと馴染んでいく。みゃあ、と鳴いて出てきたのは白い猫。猫はAへと頭をこすりつけた後、雲雀にも同様の行為をしていく。すると、雲雀の傷は少しずつ治癒を始めた
Aは手を組み、強く握り締めて蹲った
・・・
優しく僕を呼ぶ声がする。僕が目を開けると、Aがいる。他の人たちも。
昔の記憶とわかったけど、そのまま僕は夢を見続けた
天才君やカエル君が、真っ先にAへと走って足に抱きついた。当然いい気持ちはしないけど、群れたくないから近付けない。
Aは心底嬉しそうに抱き上げて2人の額にキスを落とし抱きしめた後、こちらを見て腕を伸ばした
貴方「恭弥」
！僕は走って抱きとめてもらう。暖かい、A
貴方「おはよう、恭弥」
2人にやっていたことと同じことをして、Aは明るく笑う
雲「…うんっおはよう、A」
抱きしめ返そうとしたが、出来なかった。僕の周りは白い世界と化し、家族の姿はなかった。ゆっくり、ゆっくりと夢が覚めるのを感じた
…夢が覚めたら、僕はどうなるのだろう
…Aに、会いたいな……
………
…………
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雛。(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 黒猫様、ごめんなさい…(´･ω･`)前回の更新からだいぶ間が空いてしまいましたね…気を付けます (2018年12月24日 9時) (
レス) id: f844b188b2 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - 待ってました！更新ありがとうございます！！ (2018年12月20日 10時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - 過去を持ち込んでくるとはｯ!!本当雛様神……これからどうなるのか楽しみにしてます！ (2018年8月23日 19時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 雲雀さん小さい頃の旅行の時、夢主とやった約束をずっと守り続けていたのに夢主自体がいなくなってしまって迷子のような気持ちですね…(´・ω・｀) (2018年8月23日 18時) (レス) id: 420098c989 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - あぁぁぁ！！ひばりさーーーーーーん！！！！！ (2018年8月22日 7時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀条雛
作成日時：2017年8月12日 23時
