揺らぎ ページ47
始まった瞬間は一瞬だった
Aは空気の炎で作られた白く美しい鉈を構えながら走る。雲雀も防御をしたが、Aはそれを見てあっさりと鉈を捨て蹴りを繰り出した
それも雲雀は受け止め、Aの腹部へとトンファーをめり込む。確かにめり込むはずだったそれは、見えないなにかに押されてAへまでは届かなかった
空気の炎か。雲雀は冷静に考えつつ、次の手を繰り出す。防御が間に合わなくなるほどに、今度は早く、頭だけ狙って
次第に、Aの防御は手薄になり、その部分が厚みを持つようになっていった。
雲雀はそこを迷わずAの肘を殴った。パキッという軽い骨の音が響く。Aの喉から悲鳴のような音がでかかった
しかしその猛攻での勢いをついたAは、屈みこんで足払いをした後、腹部へと膝蹴りを繰り出す。雲雀は衝撃により大きく吹っ飛び、壁へと打ち付けられる。
戦闘能力は互角だった。雲雀は瞬時に壁から脱し、後ろへ回り込むが、Aが鎌を編み出したのを見て大きく離れる。雲雀が立っていたそこは、空間を抉り取られたようになっていた。
雲「…A」
呟いたつもりはなかった。Aも何も反応はしない。
この時代であるならば、戦闘能力が互角だろうと炎の最大炎圧が高い方が有利となる。
そしてAの炎は…白く濁った炎だった
この状況を見れば、すぐではなくても雲雀が勝つと思うだろう
雲雀の気持ちを考慮しなければ、の話だが。
高貴な気高い紫色が濁る。覚悟が、揺らぐ。
偽物だ。偽物。言い聞かせる。だから今だって戦っているんだ。だが…雲雀は、雲雀には、それでも愛しい人そのもののような気すらしていた
顔も、背丈も、戦う時のクセだって、自分のよく知るAなのだ
白蘭から送られたビデオレターを見て、どれだけ気を狂いたくなったか。計画など全て捨てて、イタリアへと行きたかった。ビデオレターの内容は、初期段階のAの姿が映っていた。必死に雲雀の名を読んで、扉を叩くところ。嫌がるAに枷をはめて、無理矢理注射をするところ。目の黒が濃くなっていくAが何度も夢の中に現れた
雲雀はじんと体が怒りで痺れるのを感じた。大事な人が、人形ごっこのように、遊ばれていた内容。あれだけは、忘れてはいけない
だが
猫になった自分を拾い上げ、姿が変わっても、家族だと無償の愛情を注いでくれた、命よりも大切な人。
そんな相手に、抜け殻だろうと、徐々に本気で戦うことが出来なくなっていた
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雛。(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 黒猫様、ごめんなさい…(´･ω･`)前回の更新からだいぶ間が空いてしまいましたね…気を付けます (2018年12月24日 9時) (
レス) id: f844b188b2 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - 待ってました！更新ありがとうございます！！ (2018年12月20日 10時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - 過去を持ち込んでくるとはｯ!!本当雛様神……これからどうなるのか楽しみにしてます！ (2018年8月23日 19時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
雛。(プロフ) - 黒猫♪♪さん» 雲雀さん小さい頃の旅行の時、夢主とやった約束をずっと守り続けていたのに夢主自体がいなくなってしまって迷子のような気持ちですね…(´・ω・｀) (2018年8月23日 18時) (レス) id: 420098c989 (このIDを非表示/違反報告)
黒猫♪♪(プロフ) - あぁぁぁ！！ひばりさーーーーーーん！！！！！ (2018年8月22日 7時) (レス) id: 80ca512ce2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：銀条雛
作成日時：2017年8月12日 23時
