後ろの兵士達 ページ26
貴方side
？「地下の牢獄は寒いだろうな。戦争開始時刻どころかこの夜も超えれないのではないか？」
？「ありえますね。日の出も見ることができずに死ぬなんて敵ながら哀れです。」
くつくつと喉を鳴らす笑い声がダクト内に響く。
(、、、日の出前にお前たちも殺してやろうか。)
体の底から煮え返る殺気をなんとか飲み込む。
ショッピの居場所がわかればここに用などない。来た道を戻ろうと踵を返そうとした時だった。
？「しかし、外が騒がしいようだな。敵襲か？」
？「いえ、そのような情報はありませんが、」
ほう、男が面白そうに鼻を鳴らす。そしてニヤリと口角を上げた。
嫌な予感がした。
心臓が音を立てる。
？「そうか、ならば何故
私の真上に“ドブネズミ”が迷い込んでいるのだね？」
心臓が1番音を立ててはねた。
瞬間、右腹付近に鋭い突起のようなものが出てきた。
それを見た瞬間血の気が引いた。
？「チッ、仕留め損なったか。」
それは槍であった。
(クソッ！！！いつからだ⁉いつからばれてた！！！)
ダクトから挟み撃ちにされては串刺しになる。慌ててその場を離れた。
男の楽しそうな笑い声が耳から離れなかった。
(時間がない！！！はやく！はやく！ショッピの元へ！！！)
ダクトから降り、人気のない廊下の床に足をつけた瞬間、城中に警報が吠えた。
『っ！！袋の中のネズミってわけかっ！！』
これは罠であった。
「いたぞ！！！こっちだ！！！」
「敵の城にノコノコと。馬鹿だな！！！」
あっという間に囲まれた。見渡す限り人、人、人。
身体中に駆け巡る熱い血の循環、
焦りを表す激しい心臓の鼓動。
しかし頭は冷静で、
(派手な夜になりそうだな。)
無意識にそんなことを考えて相手を細めた目で見ていた。
刀を強く握り、鞘を抜くことなく相手に向ける。
『かかってこい、相手してやる。』
警報の音が遠くに感じられた。
、
襲いかかってくる敵を次々と薙ぎ払い、気絶、または戦闘不能にしていく。
気がつけば足元には小山ができていた。
「、ガッ"ッ"、ッッ！！、、」
目の前で兵士が目から光を消し崩れ落ちて行く。
それを後ろの兵士はおびえた様子でただ、見ていた。
『もう終わりか？』
言うと兵士の1人が拳に力を込め、ギリッと強く奥歯を噛み締めた。
その様子を無言でみる。
憎悪とは別の感情のようだ。その目にはやるせなさと悲しみ、諦めしかなかった。
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たるる(プロフ) - ライ@Mallowさん» コメントありがとうございます！！！なんと嬉しい応援のお言葉！嬉しすぎて口元が緩んでしまいました(o^^o)これからも更新していくのでぜひ楽しんでください！ (2021年9月7日 22時) (
レス) id: 6b45a8b4d9 (このIDを非表示/違反報告)
ライ@Mallow - 初コメ失礼します！いつも更新の度に読んでいて、物語が凄く好きです！というかたるるさんの作品は全部好きです！！毎度のように言葉選びがお上手・・！！いつも心にどーんと刺さります(誉め言葉ですよ！)これからも応援します！続き楽しみに待ってます！ (2021年9月7日 15時) (レス) id: 74ae029d2d (このIDを非表示/違反報告)
たるる(プロフ) - のんたんさん» コメントありがとうございます！！！温かい応援の言葉に心が温かくなりました！疲れが一気に吹き飛びました笑楽しんでいただいて嬉しいです(*^^*)続きもお楽しんでくれたら嬉しいです！ (2021年9月3日 18時) (レス) id: 6b45a8b4d9 (このIDを非表示/違反報告)
のんたん(プロフ) - コメント失礼します、時間を忘れて読み込んでしまうぐらいとてもいいお話だと感じました。お話に出てくる名言に心を打たれたり、感動して涙が滝のように出てしまったりと色々と驚かせられて読んでて飽きませんでした^^*図々しいですがお話の続き楽しみにしてます!! (2021年8月29日 4時) (レス) id: 8085edeba9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：たるる | 作成日時：2021年8月25日 14時
