刻まれる ページ25
side.Ryo
よく分からんけど、女の人が来て、
“仕事”って皆行ってしもうた。
俺はスバルくんと一緒に、一階のリビングのソファに座る。
「あ、あのさ・・・」
疑問を解決しようと思って俺が尋ねようとすると、スバルくんは黙って本を差し出した。
ユウ兄曰く、「何でも書いてある」分厚い本。
「ここに書いてある。それでも分からへんかったら聞け。」
そう言って、ソファに寝転がり目を閉じる。
少し寝るみたいだ。
俺がページを開くと、“その”ページにはご丁寧にしおりが挟んであった。
・・・スバルくんが、挟んでくれたんやろうか。
そう、思った。
.
.
“お前たちの仕事は、現実世界の人間の依頼を受けること。
必ず受けなければならない。
断った場合は、自動的に存在が消去される。
なお、どんな手を使ってでも仕事を完了させること。”
仕事って…。
じゃああの女の人は、現実世界の人間?
それで、何かを守ってほしいってことで、依頼に来たんだ。
あ、でもそれじゃあ…。
「・・・じゃあ何でスバルくんは、仕事しないの?」
俺の心の声は漏れ出ていたらしい。
ソファのスバルくんが、「ん？」と反応した。
「あぁ、それは“守るべきもの”が違うからや。」
「・・・“守るべきもの”?」
「おん。そこにも書いてあるやろ。」
言われて見ると、確かに書いてあった。
“具体的にお前たちが守るべきものは左胸に刻み込んである。”と。
「その刻み込んであることに当たっとる依頼が来たら、仕事をせなあかんってこと。」
ほら、これや。と言ってスバルくんは元々広い襟ぐりをぐいっと下に引っ張る。
そこには赤く“Eight”と刻まれていた。
「“Eight”・・・。」
「他のみんなは“Wish”だの“Love”だのよう分かるやつやねん。
せやけど俺だけよう分からんこれ。
“Eight”に関するものを守るなんてそうそうないやろ？
せやから俺は今回は仕事なしや。」
「じゃあスバルくんはいつもお休み・・・?」
俺がそう聞くと、スバルくんは静かに首を振った。
「俺らには守るべきものに対応する“チカラ”が与えられとんねん。
俺やったらこの赤くなる“目”。
俺に与えられとるチカラは強いんや。
守るべきものはよう分からんくせに 多分、六人の中で一番な。
攻撃も防御もいけるチカラやから、よく皆について行って仕事しよる。
何もないのも暇やしな。」
スバルくんは淡々と話した。
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あんずみんと(プロフ) - 雅愛さん» コメント嬉しいです!ありがとうございます。こんな亀更新の作品を待っていて下さる方がいらっしゃると思うと本当に励みになります。ここから山場になりますので、ぜひぜひお楽しみに(*´▽｀*) (2017年9月29日 19時) (
レス) id: 9bdb6ebf5b (このIDを非表示/違反報告)
あんずみんと(プロフ) - NoahLさん» コメントありがとうございます。滞りがちだとは思いますが、一生懸命更新いたしますので、どうか最後までお付き合いください(●´ω｀●) (2017年9月29日 19時) (レス) id: 9bdb6ebf5b (このIDを非表示/違反報告)
雅愛(プロフ) - 初めてコメントします。この小説好きです!!楽しみに待ってますので、作者様のペースで、ゆっくりでも更新頑張って下さい！ (2017年9月28日 19時) (レス) id: 5040adfde3 (このIDを非表示/違反報告)
NoahL - メッチャおもしろいので頑張ってください!! (2017年9月19日 19時) (レス) id: 4c6cfc05cd (このIDを非表示/違反報告)
あんずみんと(プロフ) - ぱんだ野郎。さん» コメントありがとうございます(*´▽｀*)のろのろ更新だとは思いますが、ちゃんと完結させますので、ぜひぜひ最後までお付き合いください!!お楽しみに!! (2017年7月18日 21時) (レス) id: 72e4412768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんずみんと | 作成日時：2017年4月15日 11時
