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「あー楽しかった。A、また明日」
「うん、後で写真送るね」
そう言って友達と駅前で別れを告げた私は、自分の家の方面に歩き出す。友達との長話によりもう空も随分暗くて、早く帰ろうと思った私は夜の都会を早足で歩いていた。
「蘭〜今日はホテル行かないのー?」
ふと聞き覚えのあるその単語に肩が揺れた私は勢い良く顔を上げると、数メートル先に見覚えのある髪型が目に入る。嫌な予感に心臓が鳴り響き、その光景を見たくないのに目が離せない。
「…オマエまじでくっつくな」
その声を聞いた瞬間どくんと心臓が跳ね上がり彼の腕に手を絡ませ、胸を押し当てている女性と蘭さんが目の前で歩いていた。数週間ぶりに見る彼の姿は全然変わっていなくて、変わっているのは隣にいる綺麗な女性くらいだった。
その場に立ち尽くすことしか出来ない私は、時期に目から溢れてくる涙に下を向きくるりと後ろを向くと彼らと別の方向へ走り出す。
「…最悪」
分かってた。彼が私の事を遊びだって事も。だけど、あんなに優しい笑顔を見せる彼がいつも頭から離れてくれなかった。最悪だ、本当に。私以外にもそういう事をしているって薄々疑ってきていた筈なのにまんまと彼のスキンシップに揺られて堕ちていった自分が惨めで仕方がない。
人混みの中を駆け抜ける自分の目には涙が零れていて、張り裂けそうな心に今まで隠してきた感情が溢れ出す。こんな事なら彼と出会わなければ良かった。
溢れ出して止まらない感情を振り切るように駆け抜ける私の気持ちは今更止まってくれやしなかった。薄々気付いていた自分の感情に蓋なんて出来なくて、私より何倍も綺麗な女の人と歩いていた彼を見て自分の気持ちが弾け出す。
私は彼の事が好きなんだ。
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イオ(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年9月5日 19時) (レス) id: 750e30c04d (このIDを非表示/違反報告)
シーチキン(プロフ) - キュンッキュンッします!!更新楽しみに待っています! (2021年8月6日 7時) (レス) id: 05900c9320 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 灰谷兄弟好きなので嬉しかったです。続き楽しみにしてます。12年後の竜胆を作ってくれませんか? (2021年8月3日 4時) (レス) id: 87777bf704 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - 最近軽く蘭に沼ったと思ったらまんまと足元すくわれましたね笑 これからも楽しみに応援してます!! (2021年7月24日 0時) (レス) id: 6987777c86 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - 最近軽く蘭に沼ったと思ったらこの作品でどハマり…笑 これからも楽しみに応援してます!! (2021年7月24日 0時) (レス) id: 6987777c86 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レモン | 作成日時:2021年7月19日 0時