純愛じゃない【灰谷蘭】

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顔を真っ赤にさせながらバーを急いで去っていく彼女を見て俺は反応ウブすぎだろ、と軽く笑いを溢した後弟の竜胆へと電話をかける。


「りんどー？今から帰るわ」

「はあ？今日は帰ってこないんじゃねえの？」

「んー気が変わった」

「まさか女逃したのかよ？兄貴らしくねえな」

「いやー、ゆっくり飼い慣らすのもアリかなって」

「…何の話だよ」

「ナイショ♡」


軽くため息をつく竜胆との電話を切った後、いつもならそこら辺の女と連絡を取ってホテルに行くはずだったがこの間の夜過ごしたあの女が忘れられなかった俺はそのまま自宅へと足を運ぶ。


あの夜、俺の上で身を捩らせる彼女は俺の欲望を掻き乱すには十分な魅力だった。


涙目になりながら必死に快感から逃れようとする彼女を俺でめちゃくちゃにしたかった。
出来ることならもう一度抱き潰してやりたいが次もそんな事をしたらさすがに嫌われてしまいそうだ。




「まあゆっくり手懐けるか」



明らかに純粋そうな彼女を落とすのには随分時間がかかりそうだった。


溜息をつきながらオレめちゃくちゃ本気じゃん。と自傷的に笑った後メールを開き今まで関係を持ってきた女達の連絡先を全て消していった。



何故そんな事をしたのか自分でも分からないがきっと俺は彼女に翻弄されている。



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