× ページ2
あの後私はあの男を突き飛ばし転がるようにベッドから降りた。そして、有り得ないスピードで服を乱雑に身につけホテルから逃げ出した私は朝の六本木を一人で歩く。
「ちょ、ちょっと待って…私…ほんとにあの人と?」
混乱が止まらない感情を他所に酷く痛む腰に顔を顰めた私は昨夜したらしい行為を認めざるを得なかった。
幸運な事に今日は日曜日で学校が休みだった為、友達の家に泊まってた。と親に連絡を入れる事が出来た私は昨夜の出来事を振り返る。
そもそも昨日は土曜日で、午前中の学校が終わって友達とご飯を食べに行きそのままバイトへと向かっていったはずだ。私は家から少し離れた六本木の小さな居酒屋でバイトを勤めていた為、バイト終わりの六本木を歩くとなると10時を超えることになる。
…となるとバイト終わりから家に帰る間であの男と何かしらの接触をしたということである。バイト終わりに六本木を歩いていたのは覚えているがその後の出来事がどうしても思い出せない私は必死に頭を抱え始める。
「ていうかあの人不良だよね…?」
先程見た彼の体にあった刺青、ピアス、そして三つ編みで結っていた長い髪の毛。
もしかしたら本気でやばい人と一夜を明かしてしまったのでは…?
そう一人で考え事をしていた私はいつの間にか電車に乗っていて自分の家の最寄り駅へと到着していた。
「あれ、Aじゃん」
誰かに名前を呼ばれ咄嗟に振り返ると東京卍會、通称東卍の総長であるマイキーとその副総長であるドラケンが立っていた。
「こんなとこで会うなんて奇遇だな」
二つも年下だとは思えない程大人びている彼らを他所に先程まで知らない男と全裸でベッドで寝ていた私は顔見知りの彼らを見るだけで酷い安心感に包まれた。
「…オマエここなんか赤いぞ」
ふと私の首筋を見てドラケンが自分の首をトントンと指さしながら私にそう言う。
「うそ、どこ?」
私はすぐに鞄から手鏡を取り出し自分の首筋を確認すると真っ赤な印が、いわゆるキスマークが付いていた。しかも一つではなく複数で。
「もしかしてそれキスマじゃね?」
マイキーが私の方をじっと見つめそう言うのでそれに焦った私は首を手で隠し急いでるから行くね、じゃあ。とそそくさと彼らの前を立ち去っていった。
「ほんとにあの男なんなの…」
羞恥心で顔に熱が溜まった私は首を隠しながら街中を歩いていく。昨夜は彼にドロドロに甘やかされたのだと思うと恐ろしくて私は気が気でなかった。
2189人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
イオ(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張って下さい!! (2021年9月5日 19時) (レス) id: 750e30c04d (このIDを非表示/違反報告)
シーチキン(プロフ) - キュンッキュンッします!!更新楽しみに待っています! (2021年8月6日 7時) (レス) id: 05900c9320 (このIDを非表示/違反報告)
アオ - 灰谷兄弟好きなので嬉しかったです。続き楽しみにしてます。12年後の竜胆を作ってくれませんか? (2021年8月3日 4時) (レス) id: 87777bf704 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - 最近軽く蘭に沼ったと思ったらまんまと足元すくわれましたね笑 これからも楽しみに応援してます!! (2021年7月24日 0時) (レス) id: 6987777c86 (このIDを非表示/違反報告)
からあげ - 最近軽く蘭に沼ったと思ったらこの作品でどハマり…笑 これからも楽しみに応援してます!! (2021年7月24日 0時) (レス) id: 6987777c86 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レモン | 作成日時:2021年7月19日 0時