ずっと想ってる。 (ページ32)

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遅刻。ページ32

「おはよー！」

そんな声がとびかう朝の教室。

・・・まだ来てないのか。
珍しいな。この時間には、もういるのに。

キーンコーンカーンコーン♪

そんなことを考えていると、
チャイムと同時に先生が入ってくる。

それより少し後に入ってきたカノ。

「おはよーございます・・・。」

遅刻だというのに眠そうに
目をこすりながら入ってきた。

いつもより少し乱れた制服に、
寝癖がついているふわふわの頭。
そんな格好を見て、周りの女子達が
「可愛くない！？」と話しだす。

だけど、遅刻は遅刻なわけで。

「鹿野、遅刻の理由は？」

「昨日、寝れなかったので・・・。」

寝れなかったって何だよ。

俺が心の中でそうつっこんでいると、
クラスの男子が昨日のことを
思い出したのか、「あ！」と声をあげる。

「好きな人のことでも考えてたんじゃないのか～？そうだろ？」

その言葉を聞いた瞬間、
カノは一気に頬を赤く染める。

「う、うるさいなっ！」
「あれ～？否定しないのか？」
「っ・・・。それは・・・。」

そう言って視線を泳がせるカノ。
心なしかどんどん頬の赤みが増して見える。

「何、ふられた？」

クラスメイトの面白がって言ったであろう、
その言葉。
だが俺ははっと昨日の会話を思いだし、
目を見開く。

すると、カノも同じだったのかこちらを
少し見てから「ふられてないし！」と
反論した。

「はぁ・・・疲れた。」

その後も続いた話を終わらせてきたカノは
机に寝そべってぐったりしている。

「お前が遅刻するからだろ。」
「もとはといえば、キ・・なんでもない。」
「は？言えよ。気になるだろ。」
「それはちょっと・・・あ、そうだ！今日、お昼一緒に食べよ。屋上で。」
「？あぁ。いいぞ、別に。」

あ、でもまず桜花に言わないと・・・。
ま、朝の会が終わってからでいっか。

・・・その昼休憩に起きることを
俺達は知るはずもなかった。