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緑side
移動途中に何で俺なのか理由を聞いてみたけど、
「別にいいじゃん...特に、理由はないよ」ってはぐらかされた。
『俺がしつこいくらいに心配したからかな...?』
『もしかしたら、ジェシーとかの方が良かった?』
今度は勝手にそんな事を思ってしまって、これまた勝手に申し訳なくなってしまう。
慎「はぁ...」
自分の考えすぎるところに、疲れてしまって思わず溜息をつく。
北斗がじっと見つめてきて、何か聞きたそうにしていたのが分かったけど、面倒くさい奴って思われたくなくて。
聞きたいことがあったマネージャーさんの所に、足を進めた。
慎「ねぇ?北斗の荷物にさ、アレルギーの...なんだっけ?入ってるのかなぁ」
「エピペンですか?ああ、ちゃんと預かってます！」
慎「そっか.....ありがとう」
いい事なのに、何故か落ち込んだ声を出してしまった俺に、マネージャーさんも困惑した顔をしていた。
慎「...おれ、ただのお節介じゃん」
よく考えれば、あの北斗が何にも対策してないわけがないよね。
その事実に、柄にもなく落ち込んでしまって。
北「しんたろー!おーい!!始まるよ」
呼びながら駆け寄って来てくれた。
慎「あ...ごめん!!行くよ」
北「....慎太郎...その..」
何か言いにくそうにしている北斗に、目を合わせて続きを促す。
慎「ん?」
北「...いや..なんでもない笑..腹減ったなぁ」
慎「な!!俺も、お腹空いた!!」
せっかく、美味しいもの大好きな2人なんだ。
楽しまなくちゃ勿体ない。
..それに..
心配症で少しお節介な俺にとっては、何かあってもすぐ駆けつけられるし。
俺が何事もないように気を回せるし。
とにかく大丈夫。
うきうきしている北斗の横で、勝手に俺は意気込んだ。
スタッフさんにも言った。
エピペンも準備した。
海鮮ロケではない。
俺も、面倒くさい程心配した。
そして何より、本人がしっかりしている。
ここまで気をつけているようなグルメロケも、珍しいくらいだったのに。
どうして..こういう時に限って....
目の前で、首を抑えて苦しそうにもがく北斗に必死に声をかけながら、俺の目の前も真っ暗になっていった。
42.3→←42.＊アナフィラキシー(BLACK,GREEN)
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作者名：みかん
| 作成日時：2020年12月8日 0時
