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緑side
慎「超うまいな!?北斗!!」
もぐもぐと咀嚼しながら、こくこくと頷く北斗。
目尻が緩んでいて、美味しく食べていることがそれだけで分かる。
北「....うまいなぁ」
慎「てゃはっは!!」
じっくり味わって、噛みしめるような北斗の感想に俺まで嬉しくなって、笑ってしまった。
北斗も恥ずかしそうに、はにかんだ笑みを俺に向けてくれた。
和気藹々とロケが進んでいって。
持ち寄るグルメも決めて、今は出来るのを待っていた。
....ほんのちょっと、場を離れただけ。
ほんのちょっとだったのに。
衣装にちょうど水がかかってしまって。
「森本さん!?すみません、こちらで」
慎「大丈夫です笑」
北「着替えてきな?俺が受け取っておくよ笑」
慎「ごめ!お願い」
北「はいはい笑...ほら、風邪ひいちゃうから」
ロケバスで新しい衣装に替えて、北斗とスタッフさんがいる輪に近づいていった時だった。
悲鳴のような声が響きわたる。
何かあったのだろうか...
北斗と決まったわけじゃないのに。
心臓がドクドクして。
小走りになって近づけばその悲鳴がはっきりと聞こえた。
「松村さん!!っ誰か!!救急車!!松村さん」
聞こえてきた名前に、頭がガツンと殴られた様に衝撃がはしる。
輪を掻き分けて、転ぶように中心に入り込めば首を抑えて必死に息をしようとしている北斗がいた。
慎「北斗!!!なんでっ.,はぁ、どうして!!ほくとぉ!!」
北「ﾋｭ...ﾊｧﾊｧ..ん、はっ、..!!ﾊｧ..おえっ.!」
戻しはじめた北斗の身体を急いで横向きにする。
その拍子に見えた北斗の白い肌を覆うように、真っ赤な蕁麻疹が出ているのを見て俺の喉がひゅっと絞められた感じがした。
慎「エピペン!!!はやくっ!!エピペンを持ってきてっ..誰でもいいからっ早く..お願いっ、お願いします.!」
マネージャーさんが駆け出したのを見て、北斗に目を向ければどんどん息が浅くなっていて。
こんなの...
夢だったらいのに....
北「ﾋ...ﾊｧ..ん...うえ..ひ、..っぅえ..ﾊｧ..」
慎「北斗っ!大丈夫!!すぐ..すぐだからぁ..頑張ってっ」
必死に頑張っているのは分かるのに、これ以上頑張らせては酷なのに。
そんな事しか声をかけることが出来なかった。
そこからは、それこそ転がるように俺の元に来てくれたマネージャーさんからひったくるようにエピペンを受け取って。
北斗の右太ももに震える手で、それを打ち込んだ。
どうかどうか...間に合って...
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作者名：みかん
| 作成日時：2020年12月8日 0時
