【おそ松さん】思い思われふりふられ【BL】

ふられ8「苦しいよ」 ページ9

「一松兄さん！やきう楽しかったね！！」

「……あぁ、そうだね」


へへ。野球をしただけだけど、一松兄さんと二人っきりで遊べて楽しかった。


「あの……」

「一松兄さん！」


ぼくね、ずっと伝えたいことがあったんだ。

一松兄さんに、一松兄さんだけに言いたい事。


叶わないって分かってる。

それでも伝えたいんだ。


「おれ、ずっと一松兄さんの事が」

「駄目だよ」

「え……？」


なにが、だめ？なの。


「十四松。おれはチョロ松兄さんが好きだから」


一松兄さん？

どうして。


「ていうか、男に兄弟に、好きでもないやつに好きって言われてもさ。それって迷惑なだけだから」


なんで、ぼくに言わせてくれないの。

ただ好きって、それだけ伝えたくて。


それだけなのに……。


「じゃあ、なんで今日遊びに誘ったの？」

「……そんなの、ふるために決まってるじゃん。脈アリとでも思ったわけ？それって自意識過剰なんじゃない」


違う。そんなこと思ってない。


ただぼくはこの気持ちを伝えて、もしも叶うならって……叶うなら？

違う。ぼくは叶わなくても良いって。

分かってるけど、伝えたくて……。


あれ？あれあれ？


ぼくはなんで、こんなにショックなんだろう。


ふられることぐらい分かってた。

それなのにどうして……。



「苦しいよ、一松兄さん」

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