【おそ松さん】思い思われふりふられ【BL】

両片思い30「どっちから」 ページ31

「はぁ……」


家の前でため息をつく。

オレが迎えに行こうと思ったんだがな。

どうもこの足はおそ松に会うのを恐がっている。


好きになりすぎて、恐くなって逃げた自分勝手なオレをおそ松はずっと愛してくれるだろうか。

オレの愛を全て受け取ってくれるだろうか。


唇をさする。

おそ松兄さんとキスをした感触が今もまだ残っている。


本当は溶けそうなくらい温かかった。

その温かささえもオレは恐い。


「カラ松」


今聞こえたこの声も、オレは……


「え？な！？おそ松！！」

「んだよ。つーか、なに一人で帰ってんだよ。俺探してたのによ」


おそ松兄さん、普通か？

特に変わらないな。

少しイライラしてるぐらい？


「ふ、すまないな。オレのカラ松が突然悲鳴を上げ…」

「おしっこかよ！！」


ノンノン、下品な言葉を使うな。


「……カラ松」

「なんだ」

「…っ〜！……兄ちゃんに言いたい事ない！？」


えぇ！？

なんだ？殴った事か？帰った事？

それとも……


「え、オレ？」

「あー！！やっぱ俺！いや、お前！でも、俺！」


どっちだ！


言いたい事は同じなんだろう。

なんか分かる。

分かりたくないが分かる。


「どうすんだ、おそ松」

「……明日にする？」

「それは駄目だろ」


トド松に怒られそうだ。

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