おとぎ話で終わらせない (ページ19)

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スケアリー・モンスターズ! 1 ページ19

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ハロウィーンウィーク一日目。

スタンプラリーの景品交換担当になったAは、

自作したえんじ色のゴシックワンピに身を包み
正門でスタンプラリーの景品交換の仕事をしていた。

昼休憩前、男性客に景品のキャンディを渡し終えたAは、

ジェイド達の所に一人の女の子がいるのを見ると、

何かひらめいた様子で、女の子にしゃがんで話しかけた。

「スタンプラリーに参加してくれてありがとう。

アナタ、音楽はお好き?」

女の子は元気よく「うん!」と答える。

「それじゃあ、アナタには特別にこれをあげるわ。さあ、手を出して」

Aは差し出された女の子の両手をぎゅっと柔らかく握り、
召喚魔法を使った。

女の子がドキドキしながら手の上を見ると、

そこには薄紫色のガラス製のカリンバが。

「……お姉ちゃん、これ、何?」

女の子はカリンバをまじまじと見ながらAに質問した。

「カリンバっていう楽器よ。音がとても綺麗なの。

弾き方はこの紙に書いてあるから、お家に帰ったらやってみて。

…………大事に使ってね」

そう言うと立ち上がり、懐かしむように微笑むAは、

「バイバーイ!」と嬉しそうに帰っていく女の子に

「また来てね」と優しく手を振った。

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「Aちゃんが他人に優しくしてるの初めて見た」

「ちょっと背筋がぞっとしたんだゾ……」

「夢でも見てんのかと思ったわ」

「普段の様子からは想像もつかないほどの穏やかな対応だったな」

「シラウオちゃん猫被りすぎ～」

「学園内では決して見ることのない笑みでしたね」

「なによ、失礼ね!」

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