おとぎ話で終わらせない (ページ12)

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想いページ12

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昼休み、植物園にて。

空調のおかげで暖かく、過ごしやすいはずのその場所は、今日は何故か寒く感じられる。

ベンチに座っているAは、太陽の方に向かって手を伸ばしながら、呟いていた。

「我が命を、地獄の淵より掬い上げたグレート・セブンよ」

ゆっくりと瞬きをして、Aは続ける。

「地獄の中で、ただ一つの安らぎだったグレート・セブンよ」

「あなた達との約束を、私は忘れはしない」

Aは、悲しい顔で空を見つめる。

周りの動植物たちも悲しそうにAをじっと見つめている。

「この身がお天道様に焼かれ、灰になって、命尽き果てる時。

……その時こそ、私は笑顔であなた達に会いに行けるのだから」

Aの伸ばした手は空を切り、だらんと垂れ下がる。
そしてそこに、一筋の涙が滑っていった。

「…………誰かと思えば、噂の1年か。

語るなら歓談部でやってほしいんだがなぁ?」

そんなAに、丁度昼寝をしていたレオナが声をかけた。
(レオナはあくび混じりにAの様子を見ていたのである)

自分一人しかいないと思っていたAは、驚いて声のした方に振り向く。

そして、声を発した人物がサバナクローの寮長であるとわかると、サッと立ち上がった。

「あらごめんなさいね、お邪魔だったのならもう行くわ」

そう言うとAは、レオナが声をかける暇もないほど素早く去っていった。

少し経ったあと、レオナはいつもの昼寝場所に戻り、

ラギーに頼んだデラックスメンチカツサンドを待ちながら眠りについた。

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(そういやあの女、グレート・セブンがどうとか言ってたな……)

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