第拾話「嫌だ」 ページ10
次目が覚めるとおでこが冷たくて気持ち良かった。
手に取ればそれはすぐタオルだと分かる。
壁にもたれかかって寝ている芥川さんが隣にいたことから彼がしてくれたんだろう。
「芥川……さん」
まだ少しかすれぎみではあるけど、声もだいぶ出るようになった。
体も今は少し楽だ。
疲れからの熱だったのかな。
体を起こして、芥川さんに駆け寄った。
いつ見ても綺麗な顔だ
耳元で声潜めて私は言う。
「虹が綺麗ですね、龍之介さん…」
___あなたと繋がりたい。
我ながら恥ずかしいことを口にしてしまったと思う。
でも、もっともっと貴方の優しさが欲しい。
私に貴方の全てをください。
全部受け入れます。
全部もらいますから……。
だからお願いです、私にちょうだい…。
「貴方が泣いてくれるなら死んでも良い」
「それは良いね」
扉の方からの声だった。
この声は太宰さんの声。
また来たのか、もう顔も見たくないと言うのに。
貴方を見るとまた思いだすんだ。
あの時の愚かな自分自身を。
「何の用ですか…」
「実は君に伝えたいことがあってね?」
「私は何も聞きたくありません」
芥川さんは今もなお寝ている。
「まぁ、そう言わないでほしいな。これは君にとって一番重要な情報だよ?」
私にとって一番…?
嫌な予感がする。
「君にはそろそろ退場してもらう」
「……どういうことですか」
そう言うと太宰さんはふっと笑ってこう言う。
「明日の月は綺麗でしょうね」
っ…!?
明日……?
そんな、だってまだ当分先の話だって……。
嘘だ…嫌だ、嫌です。
「嫌だ…!!」
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夢見る少女☆*:(プロフ) - ねこ娘さん» ありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです。言葉の意味が分からないところがこの小説の醍醐味と言っても過言じゃありませんので (2017年4月7日 3時) (レス) id: cce1ac7323 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ娘(プロフ) - はじめまして!!めっさ感動しました!!キャラが掴みづらいやつがれくんの気持ち(?)の表現の仕方とかとてもお上手です。夏目漱石の言葉とかそういう直接は伝わらないような言葉わざわざ鈍感そうなは芥川くん使うところとか、なんかとても心がキュッてなりました… (2017年4月6日 22時) (レス) id: 913331cd44 (このIDを非表示/違反報告)
夢見る少女☆*:(プロフ) - 白崎 ツキトさん» 感動してくれて嬉しいです!貴方の心の中にいつまでも残っていれば幸いです (2017年3月25日 16時) (レス) id: cce1ac7323 (このIDを非表示/違反報告)
白崎 ツキト(プロフ) - やばい、すごい感動した。この作品に出会えて良かったです…!!! (2017年1月29日 19時) (レス) id: b835084626 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご@しらすの人( 。∀ ° )(プロフ) - 莱都さん» あの、コメ欄のチャット行為は禁止されているのでそろそろ… (2016年9月24日 2時) (レス) id: 77bd0378ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:13(ひみ) | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/5066ad29441/
作成日時:2016年8月14日 12時