親子 ページ35
.
『分かった、けれど何でだ？別にパピルスも昔の知人なら会いたいだろ。』
「…、どうだろうね。少なくともサンズは私には会いたくないだろう。」
『……、そうかい、まぁ無理には聞かないよ。無意味だろうしな。』
そう言ってくれるとありがたい、と彼は言った。相変わらず彼の周りには数個手が浮いており、そこにはぽっかりと穴が空いている。
『……。じゃ、そろそろ時間も時間だからな。また今度来れたら来る。』
「うん、出来るならカップラーメンとか持ってきて欲しいな。」
あんまり来るなって言ったのそっちだけどな、と言うとそれはそれこれはこれ、と言う彼。益々サンズに似てるように見えるなこの人。
『…じゃ、さよなら。』
「うん、さようなら。」
手を振られそれに振り返し、薄暗い廊下を歩く。行きより明るいが電気のようなものはなく、当たりを見回しても灯りらしきものはない。
灰色の扉を開くと、すぐにパピルスの部屋につき、本棚を戻す。
ふう、と息を吐いて廊下に出るがどこか異様だ。
『…、サンズ？』
「あぁ、どうした？」
サンズの部屋に行っても、パピルス達と一緒にいる気配は無い。
『…パピルスとフリスク、どこ行った？』
「部屋に居ないのか？…、」
その言葉に頷くとううんと考え込むサンズ。壁の時計はもう7時を指しており、外はすっかり暗くなる。
『…サンズ、パピルスの電話とかって知らないか？』
「多分あいつが持ち出してると思うぜ、一応部屋の中探してみるか？」
『あぁ。』
少し、嫌な予感がする。腕に走る悪寒を抑えるために腕を摩るとそれを察したのかサンズが安心しろと口を開いた。
「アンタの感は知らないけど、オイラの感は結構当たるんだぜ。大丈夫だ。」
『…そうだといいんだが。』
パピルスの部屋に入り、棚の上や枕の下までくまなく見る。
『！サンズ、これか？』
「お、それだそれだ。えーと、フリスクの電話番号を…。」
随分と前のケータイで、パカリとそれを開き、サンズは番号を入力する。
「…、繋がるかな。」
『………。』
「"…あ、もしもし？"」
『！フリスクか、今どこにいる。』
電話の向こうから聞こえた声はやけに軽く、そしてこの声の主が操作されていると思うとぞっとして固唾を呑む。
「今はウォーターフェルにいるよ。パピルスもいる。」
「傭兵〜…オレさま疲れちゃったんだぞー……。」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 32人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はしばみの揚げ物(プロフ) - お騒がせしました、作品シリーズ一覧から飛びますと下書きページに飛んでしまうのでしっかりと下から飛んでくださいな皆様(* 'ᵕ' ) (2021年10月30日 8時) (
レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 真面目な話、割とバグらせちゃったから下のこの小説の続編を見るは押さないでね！バグって(自分の頭が)下書き＆パスワードつけたまんまで忘れちゃった☆ URL貼っておくのでそちらから飛んでください…！お手数かけます！！アホ抜かしてすいませんしたぁ！！！！！！ (2021年10月30日 0時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
モブくん＿通行人A(プロフ) - ｱｯｱｯｱｯ無理ｯｯ好きｯｯｯ (2021年10月29日 23時) (レス) @page50 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
さき - いやぁ・・・！なんか、もうっ、すごいです！応援してます！ (2021年10月29日 22時) (レス) @page50 id: d336e73bb4 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - モブくん＿通行人Aさん» ありがとう、好ッッッ……(((( (2021年10月28日 6時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：胃酸先生。 | 作成日時：2021年9月29日 16時
