翻弄 ページ32
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『…何か、あったのか?』
サンズは、嫌な汗を流していた。
「……詳しい記憶は、掠れてんだ。でも、アンタが死んだ後直ぐにロードされた。それだけは覚えてる。」
『……、』
目の前の彼は苦しそうに俺の服をぎゅっと握る。以前ここであった時と似ているが、明らか状況が違った。
「くそ、フリスクの命じゃ飽き足らず、アンタまで巻き込みやがって…、」
『…、フリスクに何かあったのか?』
そう聞くとサンズは俯く。
「……操作されてんだ、フリスクは。
ぶわ、と背中が粟立つ。
なら、今までのあいつの行動の全ては、プレイヤーの選択だったということか?
あの日の芝居の時の泣きつく表情も、俺の飯を頬張るあの微笑ましさも、
俺の死に際に見せたあの焦った表情も、全て。
『な、んだよ、それ』
「…今は、もうよく覚えていない。けれど、あいつは1度、パピルスやアンダイン、メタトンやおばさんまで殺してきた。…勿論、オイラも死んだ。」
✻ 俺は
『………、』
全て、あってはいけない、あってしまった出来事だったなんて。
「……、スノーフルに戻ろう。アイツら、今もアンタの帰りを待ってんだ。正座してな。
…、オイラ、近道知ってんだ。」
『……あぁ。』
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「……、…、
おー、今戻ったぜー。」
いつもの調子、いつもの声、いつもの顔。彼が口元を歪めることなくニコニコと笑っている顔以外は見たことがない。
いつも変化するのは眼窩ばかり。
『…ただいま戻った。』
「!!お、おい!もう大丈夫なのか!?」
中に入った瞬間、ぐわしとアンダインに肩を掴まれる。うわ、と声を出して一旦落ち着けと宥めた。
『とりあえず大丈夫だけれど、今日は無理出来なさそうだ。』
「そっ、そうだな…、本当に無理をさせてしまった、すまない。」
『いや、いいんだ。サンズ、二階に上がるから手を貸してくれないか。』
「……、…、あ、おう、分かったぜ。」
ぎこちなくそう言ったサンズ。サンズとも色々話し合っておきたいことがあるしな。
あの時と同じ質問をして料理を作って、変わらない笑顔を見て、キッドと出会って、
こんなことしてると頭がおかしくなりそうだ。
『……ありがとう、俺は少し部屋で寝るよ。昼飯は後で食う。』
そういいサンズの部屋に入った。自分の腹部を見ても傷は1つも残っていない。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - お騒がせしました、作品シリーズ一覧から飛びますと下書きページに飛んでしまうのでしっかりと下から飛んでくださいな皆様(* 'ᵕ' ) (2021年10月30日 8時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 真面目な話、割とバグらせちゃったから下のこの小説の続編を見るは押さないでね!バグって(自分の頭が)下書き&パスワードつけたまんまで忘れちゃった☆ URL貼っておくのでそちらから飛んでください…!お手数かけます!!アホ抜かしてすいませんしたぁ!!!!!! (2021年10月30日 0時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
モブくん_通行人A(プロフ) - アッアッアッ無理ッッ好きッッッ (2021年10月29日 23時) (レス) @page50 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
さき - いやぁ・・・!なんか、もうっ、すごいです!応援してます! (2021年10月29日 22時) (レス) @page50 id: d336e73bb4 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - モブくん_通行人Aさん» ありがとう、好ッッッ……(((( (2021年10月28日 6時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胃酸先生。 | 作成日時:2021年9月29日 16時