狼煙。【Undertale】

善人 ページ4

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お皿に盛り付けられパイをペロリと平らげる。毒も入っている様子はなかったし、何よりこのトリエルっていう奴が先に、食べてたから。

『……、トリィ…でいいか？』

「…！珍しいわね、その名前で呼ぶ人は…、…アズゴアくらいしかいないもの。」

『…？アズゴア…、知り合いか？』

「…、ええ、まぁね。でも私はあの人の事は嫌いよ、大っ嫌い！」

『…オマエがそこまで嫌うのか…、どんな奴なんだ？』

「地上に出るためにニンゲンのソウルを集めてるの。あの穴からいつもニンゲンが落ちてくるから…、毎日見回っているんだけどね、たまたま貴方が倒れているのを見つけて保護したの。」

ソウル、というものは一体なんなんだろうか。そのニンゲンのソウルとやらを集めて地上に出るということだが、何をするつもりなんだ。

『…あー、色々聞きたいことがあるが…、その、ソウルとは？』

「貴方達で言う心臓を意味するの。ハートのことね。」

『…じゃあ、その人間のソウルを集めて一体何するつもりなんだ？』

「…、きっと、地上を支配するんじゃないかしら。…他人事みたいでごめんなさいね。」

地上を支配。その言葉に不意に怒りが湧く。

『……、…地上は今、荒れているんだ。人間と人間同士の争いで子供は餓死、死人だって百は居る。

俺はもう、あれ以上の惨劇は起こさせたくねえ。』

俺の二の舞には絶対にさせる訳には行かないんだ。

「…いい人ね、傭兵さんは。」

『…？何故？』

「うぅん、なんて言うのかしら、心が暖かい人ってこと！」

『……、心が暖かかったらこんな仕事してないさ。』

心が暖かいなら、何百人とも手にかけてなんかいない。

「…、そうだわ！傭兵さん、貴方のことも聞かせてくれないかしら？」

『…は、』

「貴方のことを知りたいの、今まで落ちてきたニンゲンは小さな子供ばかりだったけれど…傭兵さんは大人っていうんでしょう？」

『…あー、まぁ、そうだが。』

面白い話なんてないがと言うもそれでも聞くわと言うトリィ。

『んー…、何が聞きたいんだ？』

「あら、そうね…、ご年齢はいくつかしら？」

『合コンか。…あー、そうだな、ガキの頃からあんまり数えてなかったからな…、30年ぐらいは生きてるだろ、多分。』

逆にオマエは何歳なんだ？と聞くとフフフ、と笑って誤魔化される。

『…あ、あと。トリィ、俺はここからいつ出られるか？』









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