狼煙 ページ25
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昼飯を終え、外で一息つく。ここの地域、というかスノーフルは常に雪の国のように雪が積もっているし、逆にメタトンの辺りは暑苦しい、火山のような区域だった。
『…謎だらけだな。』
それに、サンズが言っていたあの言葉。
✻ EXPとLvの数値だよ。しかも異常なくらいのさ。
✻ その数値は誰かを殺す度に増えていくんだ。
『………、』
本当、この世界は妙なものが多すぎる。サンズはゲームの世界のようなことを平然と、そして真剣に話していた。
手袋を脱ぎ、自分の掌を見る。ケロイドが目立つ大きな手は、寒さで少し震えていた。はぁ、とため息をついて手袋をはめた。
殺さねば、今度は自分達が殺される。正当防衛というもので、人を殺せる。
悲し多き世の中だよな、本当に。
『………、
店に煙草とか売ってるかな…。』
いや、一文無しだから何も買えねえな。地上の金だって不足してんだし。あってもポケットには5Gぐらいしかないだろう。
煙草、だなんて口にすることすら久しぶりだ。戦場では煙草は貴重品だったし、俺もほとんど吸ったことがない。けれど、煙草を吸っている輩は皆幸せそうな顔を浮かべた。
俺も、味は悪くは無いと思った。
『…、イカレてんだな、相当。』
街を歩き、昨日見なかった建物を見回る。グリルビーズと書いてある…バーかなんかの店や、ショップとか色々あった。
『…ツリー?』
街の真ん中には大きなツリー…と言っても、自分より30センチほど高いぐらいで、手を伸ばせばてっぺんに届く大きさだった。
まあ、子供らにとっては大きいんだろうが。
「オッス!オマエさ、身長高いだろ?」
『あ?あー、そうだが…。』
「この飾り、さっき落ちてきたんだ!上に付けたあったやつだからつけてくんねえか?」
『…あぁ。』
モンスターの子供が星の飾りを渡してくる。俺の手にすっぽりおさまるぐらいの大きさで、手を伸ばしてツリーの頂点にしっかりと固定した。カラカラと飾りが揺れ、音が鳴る。
『…、綺麗だな。』
一つ一つの飾りが鮮やかで、赤や青、金色まで色んな色がある。
「だろ!」
『………。』
ぽん、とモンスターの子供の頭を撫でる。恐竜の子供のような姿をした奴は、少し驚いたあとニカッと笑った。
「オレはモンスターキッド!まぁ、長いからキッドでいいぜ!オマエは?」
『あー、名前は仕事の都合で言えねえんだ。適当にお兄さんとでも呼んでくれ。』
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はしばみの揚げ物(プロフ) - お騒がせしました、作品シリーズ一覧から飛びますと下書きページに飛んでしまうのでしっかりと下から飛んでくださいな皆様(* 'ᵕ' ) (2021年10月30日 8時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 真面目な話、割とバグらせちゃったから下のこの小説の続編を見るは押さないでね!バグって(自分の頭が)下書き&パスワードつけたまんまで忘れちゃった☆ URL貼っておくのでそちらから飛んでください…!お手数かけます!!アホ抜かしてすいませんしたぁ!!!!!! (2021年10月30日 0時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
モブくん_通行人A(プロフ) - アッアッアッ無理ッッ好きッッッ (2021年10月29日 23時) (レス) @page50 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
さき - いやぁ・・・!なんか、もうっ、すごいです!応援してます! (2021年10月29日 22時) (レス) @page50 id: d336e73bb4 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - モブくん_通行人Aさん» ありがとう、好ッッッ……(((( (2021年10月28日 6時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胃酸先生。 | 作成日時:2021年9月29日 16時