パスタ ページ11
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「アンタ、平気か?」
いつの間にか横に立っていたサンズ。ドアの音はしなかった、何処から入ってきた?
『…平気に見えるか?これが、…ケホ、』
「いんや、大分キツい夢を見ていたろ?何かは知らないけど。」
『………。』
夢の内容は起きたらすぐ忘れる、なんて物語の中の話だけだ。夢の中の悪を見続ければ頭にそれがこびりついて睡眠が億劫になる。
もう一度あの夢を見てしまったらどうしよう、なんて心が弱い人間の考え方だ。
実際に、俺もそう。
『…、ただの夢だ。』
「そうかい。…アンタ、飯は食えそうか?パピルスがパスタ作ってんだ、食えるなら食ってくれよ。」
『…あぁ、腹は…減ってる。』
そう言うと満足そうににんまりと笑い、部屋を出ていったサンズ。ベッドの横には俺のカバンが置いてあり、中身を確認する。あのニット帽も入っている。
「にぇぇぇ!ご飯だぞーッ!!」
部屋の外からパピルスの叫ぶ声が聞こえた。まだ少しだるい体を動かして廊下に出ると、フリスクも同タイミングでサンズの部屋から出てきた。
「大丈夫?」
『あぁ、平気だ。』
「…手、傷だらけだけど。」
『ガキンチョが気にすることじゃねえ。パピルスが飯作ってくれてんだ、早く行くぞ。』
フリスクの頭を撫で、階段をおりる。
『…ッ!!_っぶな…。』
熱のせいか目眩がして階段から落ちそうになった。咄嗟に手すりを掴んだおかげで落ちることは無かったけれど。
「ゆっくり降りて。ほら、」
フリスクの手を借りて1回まで降りる。テーブルの上には2つ分パスタが置かれている。
『…、あー、パピルスとサンズの分か?』
咄嗟にそう言うが、見た目は美味そうに見えるものの匂いが若干おかしい。焦げているような、レモンのようなツンとする匂いのような、なんだかよく分からない。
「キサマらニンゲンの分だぞッ!このパピルス様が精一杯作ったんだ!食べろ!」
そう言いキラキラとした瞳でそう言う。
『………、どうする、フリスク。』
「…腹を括るしかない。」
2人してじっとパスタを睨むように見る。意を決して口の中に大きな一口で放り込んだ。
『…、……。』
「…ど、どうだ…?美味しいかッ?」
『……!ふふ、うん、美味しいよ。』
思いの他食べれないわけではなかった。ゲテモノよりかは余程マシだし、何なら戦争の時には石でも食ってやろうかってぐらいだったからな。
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はしばみの揚げ物(プロフ) - お騒がせしました、作品シリーズ一覧から飛びますと下書きページに飛んでしまうのでしっかりと下から飛んでくださいな皆様(* 'ᵕ' ) (2021年10月30日 8時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - 真面目な話、割とバグらせちゃったから下のこの小説の続編を見るは押さないでね!バグって(自分の頭が)下書き&パスワードつけたまんまで忘れちゃった☆ URL貼っておくのでそちらから飛んでください…!お手数かけます!!アホ抜かしてすいませんしたぁ!!!!!! (2021年10月30日 0時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
モブくん_通行人A(プロフ) - アッアッアッ無理ッッ好きッッッ (2021年10月29日 23時) (レス) @page50 id: f25d375883 (このIDを非表示/違反報告)
さき - いやぁ・・・!なんか、もうっ、すごいです!応援してます! (2021年10月29日 22時) (レス) @page50 id: d336e73bb4 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - モブくん_通行人Aさん» ありがとう、好ッッッ……(((( (2021年10月28日 6時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:胃酸先生。 | 作成日時:2021年9月29日 16時