今の情けは後の仇。【日常組】 (ページ36)

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「嘘だろ？」

「かわいそうに…職を失った！」

「A5ランクあげたじゃないすか！」

「A5は確かに俺は貰ったかも知れんがお前はそれ以上に約束を破っただろう？」

「看守、ちなみに英語でおいしいは何ていうの？言うんですか？」

「ん？デリシャス」

「デリシャス…」

「分かるんだ？マジか…」

『…、看守英語苦手でしたっけ？』

「何だ？俺の名前は何だ？」

看守が6番さんを睨みつけるようにそう言う。もごもごと6番さんが口を紡ぐ。

「え？え〜っと…」

「ステイサム！」

「ステイサム…」

「もう忘れてるのか？お前！」

「忘れてないですよ〜！」

まぁ、そう言う看守も私の名前など覚えてないんだろうけど。

いや、単に興味が無いだけか。

「まぁ、いい！「自由行動」だ！入れ！」

「え、俺分かった！」

「はい！」

『…名前分かっても別に独房から出られるとかそんなんじゃないんですね。』

「え？ねぇ、衝撃的事実言っていい？」

「はい、何でしょう！」

「あの、君達の部屋ってさ…ベッドさ、1つだよね？」

「1つですね！まぁ1つも無いんだけど！」

「1つってかあの薄いやつでしょ？」

薄いやつね！と9番さんが返す。あのペラッペラが嫌いでいつも椅子に座って寝ている為腰がいつも痛くなる。

「俺ね…ダブルなんすよこっち！こっち横2マスあるんすよ！」

「スペシャルじゃん！」

「すまんなお前ら！でけぇ布団で寝かしてもらうわ！」

まぁだとしても懲罰房も勿論、独房も全体的に臭いも酷いし衛生的にあんまり良くないんだよな。あの場所は絶対に慣れないと思っている。

「今、君達はその噴水のあの自由エリアにいるんだよね？」

「そう、噴水の所にいる！」

「頑張って！」

『…。』

私も少し日向ぼっこして寝ていようかな。日の光を浴びながらお昼寝でもしよう。

少し痛む頭を抑え、椅子に座り机に突っ伏して目を閉じた。

＿
＿＿

『…ん、』

「お疲れ！」

「お疲れ様です…、9番の顔が運動場になっちゃった…」

「どうも運動場です！」

大分寝ていたようだ、起き上がらねば…。

「よし、5番も起きたな。

まぁ、この後お前らは風呂と、今日は晩飯がある！」

「おぉ！晩飯！」

「よし、じゃあ移動するぞ！」

スタスタと歩いていく看守。ぐらぐらと視界が揺れる。

「＿さん？＿＿夫？＿＿さ＿…」

『……ぁﾞ、？』

9番さんの顔。そして、暗転。

side ＿囚人番号5番 END

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