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『あの…8番さん懲罰房の所行きましたよね…?音聞こえましたんでビックリしました。』
「あのね…君達に気を取られてる隙に俺は「懲罰房」へダッシュして「懲罰房」のやつ取ろうと思ったらあれがプルルルン!プルルルン!プルルルン!って鳴って…
あまりのビビり具合に固まってしまって盗れませんでした!」
「え〜!いや、盗れたって事じゃん!それでもバレなければ!」
「でもまぁ、そう!」
『音でバレなければ大丈夫なのか…なら監視カメラとかで必死にアピールしておけばいいんじゃないかな…。』
「そういう事か!音でバレなければいいのか!じゃ、気を引けばいいんだね僕達が…」
「え、でもね…もうね…もうね、閉まってるんだよ!もう行けないの…」
「え、もう行けないの?」
『多分監視カメラも作動してるから危険かも…。』
そう言うとそっか〜、悔しい!と6番さんと9番さんが言う。
「ここ!こっから行けないかな…待ってね?今ね…ちょっと排水溝通って何とか懲罰室まで行ってみよう、と試みる!」
うん!と6番さんが返事をする。確かに、辿って行ったらワンチャン懲罰房の目の前の通路まで行けるかもしれない。そこに監視カメラがあったら終わりだけど。
「わぁ、これ…「懲罰房」への道は無いっぽいなこれ…」
「無いのか〜マジか…でも何か、角度的には合ってそうだけどな…」
「どうだろう、う〜ん、でもまだ…行けるかも!」
「多分そっちら辺だと思う!」
『無いんであったら…どうしよう、明日の朝に確認するんですよね?』
私も動きたいけれど監視カメラに映る訳でもないし、トイレから水路に出られる訳でもない。
完全に籠の中のネズミなわけだ。
「う〜ん…」
「え、昼じゃないよねまだ…」
「まだ、大丈夫!」
『大丈夫。まだ、夜』
「何かアピールして呼べないのかな?」
『生憎それが出来るのは9番さんだけなので…』
「僕達、映んないからな…監視カメラ…」
「え、何か音がする…」
『多分近くに看守がいるんだと思います、無闇矢鱈に行動しない方がいいかも。』
8番さんがそう言っていたのでもしかしたら看守が近くにいるのかもしれない。スッと耳を澄ますとやはり扉を開ける音が聞こえる。
「大丈夫か?何か今、カシャカシャ音したんだよ!」
「え、怖っ…」
「嘘…」
『多分看守が巡回してるんでしょうね。いつ警報が鳴ってもいいように。』
「なるほど?何かチェックしてんじゃない?」
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作者名:胃酸先生。 | 作成日時:2021年6月17日 22時