ふつう ページ34
(rbr side)
『"__警告だよ、これは。"』
動画内の彼女が、そう呟く。いつにも増して低い声は、落ち着きがあるも少し怒っているようにも感じて。切り抜き動画は、すごい程に伸びている。コメント欄も動画を賞賛する声ばかりで。
凄いなと内心羨ましく思う。こうやって思っていることも言えて、それでいてリスナーのことをちゃんと思っていて。
「あ、まーた見てんの?それ」
「あ、な、なんやねん、トイレ行ったんとちゃうんか。」
隣からひょいっとスマホを覗き込むような形で希が現れる。驚いてスマホの画面を胸に当てるも、こいつにはバッチリ見られてて。好っきゃな、とからかうように希が笑った。
「ええやん、別に。推しは推すもんやろ。害悪行為してる訳ちゃうし…。」
「でもなあ、呂戊太。分かってんねんろ?」
「………。」
希のその言葉の意味は、重々承知していた。
このみたらいという配信者の正体は、お隣の丸田Aだということ。向こうは自分のことをわかってるのかは知らないが、知っていたとしてもそれを気にするような素振りはない。
「まあ、俺はなんも口出しせえへんけどな。友達やなんやって言ってたんやろ?お前は友達以上に思っとるかもしれへんけど。」
「…、正直、怖いねんな。」
きゅっと、ネクタイを締める。空っぽになった皿には、少しケチャップが付いていた。
「もしロボロを知ってて、天乃呂戊太がそうだって知った時、失望されんか心配やねん。」
首を回すと、軽く音が鳴った。
時刻は7時手前。
「あの人はそんなんちゃうって呂戊太が1番知ってんのとちゃうの?」
「……、知ってても、俺は逃げてまうわ。」
希は少し黙ったあと、そうかと口を噤んだ。
それに、だ。
彼女にも、悲しい思いはさせたくないから。きっと、俺とはリスナーとかいうものと全く疎遠な友達だと、そう思ってくれている。
その時に、実は前から知ってましたー、リスナーでしたー、なんて。
それ知ってて近づいたんかって、俺はそう思ってしまう。だから、そうなった時、正直怖い。
友達って言ったのに、それですら居られなくなるのが。
「……。」
俺が普通やったら、良かったんかもしれんな。
眉を下げた。
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はっぴぃ - ( ゚Д゚)ハァ? ロボロさんが可愛すぎるんですが????? (2022年12月21日 22時) (レス) @page34 id: 057b0a6fab (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。 - 面白くてこれ好き!ちな東北民! (2022年9月23日 1時) (レス) @page34 id: b47846261a (このIDを非表示/違反報告)
える@脅威推し - ↓酔ってた☆ (2022年9月15日 22時) (レス) @page34 id: 21fa153d0b (このIDを非表示/違反報告)
える@脅威推し - ろ…rbr…可愛い…普段酔わない人が酔うのってめっちゃ好き… (2022年9月9日 17時) (レス) @page28 id: df7b6d0958 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - える@脅威推しさん» 色んな県からりんご集めて食わしちゃりましょう(()) (2022年8月20日 18時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はしばみ | 作成日時:2022年8月19日 23時