検索窓
今日:4 hit、昨日:3 hit、合計:51,301 hit

ふつう ページ34

(rbr side)

『"__警告だよ、これは。"』

動画内の彼女が、そう呟く。いつにも増して低い声は、落ち着きがあるも少し怒っているようにも感じて。切り抜き動画は、すごい程に伸びている。コメント欄も動画を賞賛する声ばかりで。

凄いなと内心羨ましく思う。こうやって思っていることも言えて、それでいてリスナーのことをちゃんと思っていて。

「あ、まーた見てんの?それ」

「あ、な、なんやねん、トイレ行ったんとちゃうんか。」

隣からひょいっとスマホを覗き込むような形で希が現れる。驚いてスマホの画面を胸に当てるも、こいつにはバッチリ見られてて。好っきゃな、とからかうように希が笑った。

「ええやん、別に。推しは推すもんやろ。害悪行為してる訳ちゃうし…。」

「でもなあ、呂戊太。分かってんねんろ?」

「………。」

希のその言葉の意味は、重々承知していた。
このみたらいという配信者の正体は、お隣の丸田Aだということ。向こうは自分のことをわかってるのかは知らないが、知っていたとしてもそれを気にするような素振りはない。

「まあ、俺はなんも口出しせえへんけどな。友達やなんやって言ってたんやろ?お前は友達以上に思っとるかもしれへんけど。」

「…、正直、怖いねんな。」

きゅっと、ネクタイを締める。空っぽになった皿には、少しケチャップが付いていた。

「もしロボロを知ってて、天乃呂戊太がそうだって知った時、失望されんか心配やねん。」

首を回すと、軽く音が鳴った。
時刻は7時手前。

「あの人はそんなんちゃうって呂戊太が1番知ってんのとちゃうの?」

「……、知ってても、俺は逃げてまうわ。」

希は少し黙ったあと、そうかと口を噤んだ。

それに、だ。
彼女にも、悲しい思いはさせたくないから。きっと、俺とはリスナーとかいうものと全く疎遠な友達だと、そう思ってくれている。

その時に、実は前から知ってましたー、リスナーでしたー、なんて。
それ知ってて近づいたんかって、俺はそう思ってしまう。だから、そうなった時、正直怖い。

友達って言ったのに、それですら居られなくなるのが。

「……。」

俺が普通やったら、良かったんかもしれんな。
眉を下げた。

続く  (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう

←あさ



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (149 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
430人がお気に入り
設定タグ:wrwrd , rbr
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

はっぴぃ - ( ゚Д゚)ハァ? ロボロさんが可愛すぎるんですが????? (2022年12月21日 22時) (レス) @page34 id: 057b0a6fab (このIDを非表示/違反報告)
らてゃいぅ。 - 面白くてこれ好き!ちな東北民! (2022年9月23日 1時) (レス) @page34 id: b47846261a (このIDを非表示/違反報告)
える@脅威推し - ↓酔ってた☆ (2022年9月15日 22時) (レス) @page34 id: 21fa153d0b (このIDを非表示/違反報告)
える@脅威推し - ろ…rbr…可愛い…普段酔わない人が酔うのってめっちゃ好き… (2022年9月9日 17時) (レス) @page28 id: df7b6d0958 (このIDを非表示/違反報告)
はしばみの揚げ物(プロフ) - える@脅威推しさん» 色んな県からりんご集めて食わしちゃりましょう(()) (2022年8月20日 18時) (レス) id: f8654c08a0 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:はしばみ | 作成日時:2022年8月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。