胃袋を掴んでしまった、という話。【rbr】 (ページ33)

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あさページ33

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ふと、意識を浮上させる。寝かせられていたのはベッドの上。時刻は、午前の６時を過ぎたあたりだった。
あ、仕事…とそう思ってしまうのは癖になっていて。そういえば、昨日の夜から呂戊太さんの部屋に泊まらせてもらってたんだっけと、ベッドから足を下ろした。

閉められたカーテンを開くと、机に突っ伏していたゾムさんがうっと唸った。目を瞑ったまま、肩や首を鳴らしながら伸びをする。

『おはようございます…起こす気はなかったんですが、』

「んん、いやぁ、俺もなんか自然に起きるんで、だいじょぶっすよ！あー、頭いてぇ。」

『昨日沢山飲んでらっしゃりましたから…。呂戊太さんも沢山飲んでべろべろだったんで、二日酔いになってないといいんですが…。』

ソファーに目をやると、彼はそこに寝ている。ちらりと見えたお腹は割れていて、すごいなあと眺めていると鳥井さんが呂戊太？と声を上げた。

『ろぼ、あ、昨日…鳥井さんが寝てしまったあと、呂戊太さんと呼ばせてもらうことになって…。』

「あ、いや、ちゃうねん。それは別にええ事やん？でもな、呂戊太って…酒に強いはずねんな。」

えっ？と首を傾げた。それをよそに彼は机の上に置かれた空き缶の数を数える。

「うん…いや、これぐらいやったら酔わんはずや。5%とか6%ばっかやし、こんぐらいやったらべろべろっちゅう訳ちゃうと思うけど…。」

『え、でもたしかに昨日…酔ってるような感じはしたんですけど…。』

「なんやあいつ、女性と話すのチキって酔ったフリでもしたんか？女々しいやっちゃな。」

…なんだと…。よ、酔ったフリか…いや…昨日色んなこと話したからな…なんなら覚えられてる線アリエル…ア…。

「…ま、大丈夫やろ！呂戊太がなんかしたらぶっ飛ばし案件なんで」

『ぶ、ぶっ飛ば…いや、何もされてないんで大丈夫ですよ…？』

ムキッとポーズをとった鳥井さんがクスクスと笑う。彼につられて、私も笑った。

『あ、そう、朝食、作らないと。なにか…リクエストでも、ありますか…？』

鳥井さんはんー、と考え込む。

「昨日の、丸田さんのサンドイッチ食べたいっす。きゅうりも昨日より厚めで、お願いしたいんやけど…。」

彼のその発言に、目をぱちくりさせる。
ええ、と頷くと、顔中に笑みを浮かべた。