胃袋を掴んでしまった、という話。【rbr】

うさぎ ページ18

『ただいまぁ』

玄関でそう呼びかけると、奥の方からみたらしが走ってくる。抱き上げると、私の鼻を舐めた。

『うんうん、寂しかったなあ、今ご飯あげるからな。』

しっぽを振り、お皿の前でちょこんと座るみたらし。毎度思うが賢いのかがめついのか分からないな、こいつは。

『よーしよし、はい、ご飯やで〜。』

がつがつと食うみたらしの頭を撫で、天乃さんに寝間着…パジャマの方がいいですよねと聞くと、なんなりとと返ってくる。
…というか、今の顔酷いけどすっぴんだともっと酷くなるんやん。え、落として行かんならんのやろ？？詰んだ。

とりあえず引っ張ってきたものを着る。…うん、最悪なの引っ張ってしまった。遥とお揃いで買ったピンクの兎のパジャマ。フード付き。舐めてんのか。

こんな高身長が着てなんになるの。威圧感とキュートさを同時に伝えなくていいから。

『ちょ、とお風呂、入ってきますね、えと、』

「あ、俺の事は全然気にせんで大丈夫ですよ〜、ゆっくり入ってください」

『あ…ありがとう、ごさいます』

相変わらずぶきっちょな笑顔するなあ自分。自覚あるの辛いほんとに。
遥の前だと普通に喋れるし笑えるのに。

『…ううん、ただ緊張してるだけや。』

ひとり、脱衣所でそうぼそりと呟いた。




『ぁ…お風呂、上がりました…。』

「ん、はい…………えﾞっ」

…いや、その反応が正しいんだよな。そらビビるわこんな身長のやつがゆるふわ的なもの着てんだから。

「い、いや、なんでもないです…。とと、とりあえず戻りましょか…。」

『は、はい……行ってくるね、みたらし』

うん、ひかれた。絶対に。



＿



『あ、天乃さんは、お料理上手なんですね』

「えっ、そうですか？んへへ、人に振る舞ったことなかったんで、嬉しいなあ」

筋肉育ててる人だったら食にも気を使わんとダメやしな…。

「そうや、ただお話するのもあれやし、なんかします？」

『えと…ゲームとかですか？』

「あ、そか、ちょっと待ってください、鎮痛剤…えっと、あった。2粒ですよ。」

何から何までほんまに…と思いながら、ありがとうございますと受け取る。
渡されたお水と一緒に飲むと、しんどなったら言ってくださいと、Switchのコントローラーを渡された。

だいらんとう→←あさはぱんはですね

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