落ちた鬼灯。【OP】 (ページ16)

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眩しい。カーテンの隙間から漏れる太陽の光に、Aは意識が朦朧とする中眉をひそめた。
＿ああ、そういえば。カームさんが。意識が覚醒してくると同時に、出来れば目を覚ましたくないと頭に布団を被せた。

「ンマー、起きたか、A。」

「…おはようございます、アイスバーグさん。」

くぐもった声が、布団の中から聞こえる。朝は苦手かと、椅子に腰をかけ優雅に読書をしているアイスバーグがふと笑った。といっても、時計が指している時間は既に昼前。＿＿そろそろ職長達が昼飯を始める頃だろうと、アイスバーグは読んでいた本を閉じた。

「苦手では、無いんですが…。すいません、何分眠くて…。」

「ンマー、当たり前だろうな。昨晩あんなことがあれば、寝れぬのも無理はない。」

ここへは誰がとAが聞くと、カクとカリファだとアイスバーグはそう言った。かさ、と衣擦れがしたと思い彼が振り返ればAは上半身を起こし、そのまま足を地面へとつけようとしていた。

「…起きるのか。」

「…ええ、まぁ。カクさん達にも色々ご迷惑をお掛けしましたし…お礼をしないと。」

「ンマー、彼らにとってもお前が元気なのが1番だろう。…飯は食うか？」

いえ、と力なく首を振ったA。＿＿昨日のあれで食欲がないんです。そう呟く彼女は、なんだか寂しそうで。

「シャワーを浴びたいなら部屋を出て右に曲がった突き当たりを左、そこの手前にある。カク達に会いたいのならずっと下に下りれば外に出られるぞ。」

皆の所へ行くのなら私も着いて行こうと、アイスバーグが立ち上がる。

「…じゃあ、シャワー借りますね。何から何まで、すいません。」

「ンマー、気にするな。」

ぺこりとAは頭を下げたあと、客室を出た。それと同時に、金髪とぶつかる。カリファが驚いたような表情で、大丈夫とAへと聞いた。

「ああ、ええと、お陰様で…。」

「顔色が優れないわ。今からお風呂？」

「はい、お借りさせてもらいます…。えっと、じゃあ、また後で。」

ええ、と頷いた後、カリファは客室へと入っていく。＿＿アイスバーグさんに用事だろうかと、深く考えずにAは歩き出した。