落ちた鬼灯。【OP】 (ページ9)

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戻ってきたAに、カク達はおかえりと声をかけた。気疲れした時のような、へらりとした笑みを浮かべた彼女は、近くのまとめてある丸太へと座った。＿＿政府が探りを入れたようじゃな。カクもルッチも、作業のながらにそう思っていた。

「随分疲れとる様子じゃのう。何かあったんか？」

「ああ…ええと、まぁ。」

頬を人差し指で掻くA。首元はじっとりと汗をかいている。
しかしまあ、とカクはそう思った。＿＿たとえあの古代兵器と並ぶほどの危険物を持っていたとしても、まだ仮の段階であって、真実ではない。まだ20歳もいかぬ病弱な彼女に、これ程する必要はあるのか。

＿＿考えるだけ無駄じゃろうか。元から心は、壊していたはずなのに。

「…そうじゃ！A、わしらの仕事が終わったらブルーノのとこで皆で飲まんか？」

嫌なことがあった時はぱーっと楽しいことをするのが1番じゃ、とカクは両手を上げそう言う。正直、下心半分、任務半分、というところだが。酒さえ飲んで酔うのならばいくらでも情報は引き出せる。そちらの方が、きっと彼女も傷つかない。

「…いいんです？」

「ああ。金の心配はせんでええからな！全部ルッチが出してくれ＿」
『全負担させようするんじゃねェバカヤロー』

「いでっ」

ごつんと頭にチョップをかまされる。容赦ないのうとカクは苦笑いを浮かべた。
まあ楽しみに待っといてくれとカクが笑うと、Aもはいと頷いた。

「………。」

Aはぼうっと目の前の景色を眺めていた。
＿＿役人の言っていた、コトコトの実。いうなら言霊のようなもので、大昔に言い伝えられていた呪言が元となっていると本で読んだことがあった。浮けと言ったら浮くし、死ねと言ったら、死ぬ。

「…あ、パウリーさん。」

「お？どうしたA。」

パウリーは基本的Aに対してはハレンチ病をぶつけたりはしない。緑のスカートも膝下、ブラウスは首元までしっかりある、長袖。オマケには長いブーツを履くので、露出も少ない。

「1度Calmへと帰ろうかと。ここにいてもお邪魔するだけだし…、出直してきます。」

「おー、そうかぁ。カクの野郎はお前がいたら嬉しいと思うだろうが…まぁ、俺から伝えとく。」

ありがとうございますと、Aは微笑んだ。