二日目、呪詛。 ページ12
グルッぺンは、Aが帰ってこぬうちに部屋の中を探索しようと椅子から立ち上がった。
廊下も歩けば軋むので、誰かが来たらすぐに分かるだろう。落ち着いて色んなところを見てまわる。
他の部屋と比べたら随分と綺麗にされた部屋で、本棚やベッド、机も他と比べたらかなり真新しい物。替えたのかと引き出しを引こうとするも、鍵が掛けられていた。怠らないのだなとグルッぺンは苦笑する。
「……あ。」
グルッぺンは鍵穴の無い引き出しを見つけ、そこを引くと紙が1枚入れられていた。元々あったものが、半分に破られている。裏返すと、写真のようだった。
金髪の少女が、誰かを肩車しているようだが、その人物の腹から上あたりからビリッと破られている。左右には女性と男性と思われる人の足があり、それも見れない。意味深な写真だとグルッぺンは元の位置へと戻し、引き出しを閉じた。
「日記とかがあれば面白いのだがな〜…、うん？」
グルッぺンはふと今更のように机に置かれた万年筆に気が付く。回してみると、何やら文字が書かれているが掠れて上手く読めない。Fü…？次の文字はb…いやhか…？うむ…。グルッぺンが思考に耽っていると、ぎしっと軋む音がした。
咄嗟に驚きグルッぺンは机の下にしゃがみ込むも、扉が開く様子はない。…ただの家鳴りか。グルッぺンは胸を撫で下ろし、万年筆を元の位置へと戻した。
「さてさて次は〜…。」
本棚の方へと向き直り、誇りを被った本を取り出しては戻す。面白味のなさそうな本ばかりだとグルッぺンはそう思いながら、一冊の本を見つけた。
いや、厳密にはノートのようで、開いてみるとずらずらと文字が並んでいた。
おお、おお！これだ！こういうのを求めていた！
グルッぺンは興奮し、文字を見つめる。日記のようだが、文字の丁寧さを見るに幼い頃ではないだろうと察する。
出来れば幼少期の頃を知りたかったが。彼女の名前と性別と容姿以外知らぬ彼には、好奇心が抑えられない。
「……、」
とある文字列を見た。一番最後に書かれていた、文章。
今日は母の死んだ日だ。墓すら立ててやれなかったが、花は手向けに行こうと思う。体どころか、骨すらも今は跡形無い。あなたを愛している、そして私とあなたを捨てた父とも呼べぬクズを今日も呪う。
気分が優れない。気晴らしとはなんだが、久々に裏へ行こうと思う。少なくとも、壺は買わないだろう。
淡々としたものが、広がっていた。
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かきくけの(プロフ) - すごい、作品ですね…(小並感)久しぶりに神作品に会えました！ (2022年10月15日 7時) (
レス) @page24 id: e7af349437 (このIDを非表示/違反報告)
名無しのサメ(プロフ) - 神様ですか？神様ですね。こんな、素晴らしい作品を作っていただき、ありがとうございます！ (2022年10月6日 8時) (レス) @page24 id: fed687ffc2 (このIDを非表示/違反報告)
月の光 - おっと神のような作品を見つけた。オークションものは結構あるけどネタ物が多いからこんな感じのすごくうれしいし好みです！！応援しています！ (2022年10月1日 22時) (レス) @page5 id: f3c01cad39 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はしばみ | 作成日時：2022年10月1日 16時
