00111 ページ7
宇宙大元帥は、「まんがサイエンス」という本に目を落としたまま此方に聞いてきた。
「梶井よ。地球人は自分の惑星の衛星にすら、片手で数え切れるほどしか行っておらんのか!」
「うん」
「何だ此れは!『人類が住めるとされる天体はおよそ20発見されている』だと!?我が帝国の調査では、生命のいる天体は74000近くあると判っているのに!」
知るか。
「おい梶井!この星の人間は未だ血液型で性格が決まると信じているのかね!」
「うん、まぁそうだね」
幾らなんでもこれは馬鹿すぎる、と彼女は呟いてから、何とはなしにこちらを見やった。
少なくとも、僕にはそう見えた。
「梶井。お前は地球人だ。だが、科学を志す前途多望な生命だ。お前に一つ、良い事を教えてやろう」
突然、真面目腐ったように云いだした。
「目に見えているもの、心で感じた事、お偉いさんの云うこと……なんでも当てはまるが、此の世界の物事を簡単に信じるな。疑うことこそ、お前を科学の神髄へと、『真理』へと導く唯一の道だぞ!」
こんな
偶にはそれっぽいことを云うじゃないか。では早速。
「君が宇宙大元帥だということも事実ではないかもしれない、ってことだね?」
「そ、そうは云っておらん!」
慌てた様子で訂正にかかられた。
何となく、彼女に好感が湧いた気がした。
「梶井、お前は科学者として、何を知りたいと願っているのだ?」
ふと、そんなことを聞かれた。
「……うーん……『神』は一体何者なのか、だね。此れは何だか『哲学』の方に足を踏み入れている気がするけど」
「お前は神の存在を信じているのだな」
「ちょっと前は、神なんているはずが無いと思っていたけど……君は、神様は居ると思う?」
それとも、君が神様?と聞こうとしたが、やっぱりやめた。
宇宙大元帥閣下は少し悩んだ後、僕にこう云った。
「何者を神と定義するかによるな」
「その心は?」
「『此の世界の創造主』を神とするならば居るだろう!聞くところによると、惑星丸々一つを
其の事は疑ってないんだ、と僕が聴くと、彼女は頬を膨らませて云った。
「こういう事まで疑ったら、夢がなくなるじゃないか……」
ラッキーアイテム
新書本
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーSF
星を継ぐ者
44人がお気に入り
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七海の狐(プロフ) - 面白かったです!!あ、後、苗字が同じでびっくりしましたwこんな文豪さんがいるんだ…… (2018年9月12日 16時) (レス) id: 65efb440a8 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - ノアの方舟さん» 過去捏造は二次創作の基本です。梶井の過去が明かされるのはいつの日か…… (2017年8月18日 7時) (レス) id: a477fda0e3 (このIDを非表示/違反報告)
ノアの方舟(プロフ) - 読みました!とても自分好みで面白かったです!こんな感じの本が出たらなぁと切実に思いました! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 2532ff5de4 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ(プロフ) - キューブさん» それはむしろ嬉しいのですが…← 喜んで!← (2017年6月21日 6時) (レス) id: 13e2718d47 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - ねここさん» 気付いてしまいましたね……そんな貴女は残念ですが、宇宙大元帥の部下になっていただきます(嘘) (2017年6月20日 18時) (レス) id: a477fda0e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:キューブ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年3月6日 14時