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「ただいま」
僕は誰も居ない自分の部屋に帰ってきた。
手に持っていた荷物を下ろし、夕食の仕度をする。
「地球人よ。此処が貴様の居住地か？」
少女的な声が聞こえた。
見ると、僕の蒲団が敷きっぱなしの部屋に、自称『宇宙大元帥』の少女がいた。
「……何で居るの？」
「私は試練を課されているのだ！現地民と協力し宇宙へ帰還せよ、という試練だ！地球人、さっさと私に協力しろ！」
「はいはい。知らない人のお家に勝手に入ったら駄目だよ。もう遅いから帰りなさい」
「なっ……貴様！私を子供扱いするな！確かに、此の惑星に飛来した際に『10代前半の少女』の外見になるようにしてはいたが！私はシリウス歴3174年生まれの34歳！地球歴換算すると27だぞ！」
「僕より年上！？というか、外見年齢との差が！」
「どうだ、恐れいったか！」
「否、全然」
埒が開かないので、僕は彼女の首根っこを掴んで外に放り出した。
ドアには鍵をかけ、念のためチェーンロックも。
此処はマンションの4階だし、登ってもこれまい。
これでよし。
厨二病を拗らせてるな、あれは……
やっと一段落したので、夕食の仕度を再開する。
「いただきます」
「随分旨そうだな。私の分はないのか？」
顔を上げると其処にいた。
僕は思わず後ろに飛び退いた。
「食わんのか？ならば頂こう」
「何故居る！？あ、こら食うな！」
「君、生命たるものエネルギー摂取は必要だよ。私の食べ残しだが食いたまえ」
待て待て待て待て！
ツッコみたい点が色々あるぞ！
「……あのさ、どうやって入った？」
「三次元座標値を此処に変更したのだ」
「……家は？」
「シリウス星系第二惑星の……」
「もういい」
「なんだ、尋ねおきながら。まあいい。地球人よ、名は何と云う？」
「……梶井基次郎」
「梶井か！私の故郷に、カジオと云う時空航行機を発明した天才物理学者がいるぞ！」
「ふぅん。で？」
彼女は「宇宙大元帥」と名乗った時と同じ顔付きで云った。
「地球人、梶井基次郎！今日から私が宇宙へ帰還するまで、此処に住まわせてもらうぞ！」
「……は？」
「此処以外に、安全かつ無料の宿を知らんのでな！迷惑するぞ！」
そのまま彼女は、僕の部屋でくつろぎ始めた……
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七海の狐(プロフ) - 面白かったです！！あ、後、苗字が同じでびっくりしましたwこんな文豪さんがいるんだ…… (2018年9月12日 16時) (
レス) id: 65efb440a8 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - ノアの方舟さん» 過去捏造は二次創作の基本です。梶井の過去が明かされるのはいつの日か…… (2017年8月18日 7時) (レス) id: a477fda0e3 (このIDを非表示/違反報告)
ノアの方舟(プロフ) - 読みました！とても自分好みで面白かったです！こんな感じの本が出たらなぁと切実に思いました！ (2017年8月17日 23時) (レス) id: 2532ff5de4 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ(プロフ) - キューブさん» それはむしろ嬉しいのですが…← 喜んで！← (2017年6月21日 6時) (レス) id: 13e2718d47 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - ねここさん» 気付いてしまいましたね……そんな貴女は残念ですが、宇宙大元帥の部下になっていただきます(嘘) (2017年6月20日 18時) (レス) id: a477fda0e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：キューブ | 作者ホームページ：
作成日時：2017年3月6日 14時
