10011 ページ18
「梶井!今から科学実験を行う!この私が直々に教えてやると云うのだ。滅多に無い事だぞ?」
A閣下は、色々な素材と器具を取り揃え、実験用の作業台の前に立った。
僕も彼女も、白衣に防護眼鏡の実験スタイルだ。
「今回の
「爆薬成分の残らない……?」
「地球の物質、特に有機物は、炭素、水素、酸素原子からなるそうだな。単純明快だ。そいつらを全てその辺に在る物質に変えてしまえば、爆薬を使ったとは判らない」
彼女はつらつらと説明を始めた。
「私の星でも、物質の種類は大まかには一緒だ。だから、私の知識が地球に通用する可能性は高い」
「うーん、まぁ、理屈の上ではそうだろうけど……」
「物は試しだ!梶井、為さねば為らぬのだぞ!さぁさぁ、実験開始だ!」
彼女はてきぱき……とはいかないが、それなりな手つきで薬品を計り、調合していく。
粉末、液体を乳鉢に入れてよく混ぜ合わせる……
「梶井。私の星では中等教育機関でコレの作り方を教わるのだ。其処の生徒が爆薬を作って公園で小火騒ぎを起こすのが、シリウス星系の夏の風物詩だぞ」
「こっちじゃ信じられない話だね」
「あんなちゃちい爆薬で満足する文明の生命には判るまい!ところで、お前はアレの作り方を誰に学んだ?」
「……ほぼ独学かな。あと、チヨが協力してくれた」
「ふむ、後でチヨとやらにも教えてやろうか」
彼女は微笑んだ。
そんな会話をしながらも、作業の手は止めない。僕も、彼女の解説をしっかりノートに取る。
「出来た!そうだな、何処か広いところ……コレを爆破させるのに丁度良い公園などはあるか?」
「公園!?駄目だ駄目だ!そんな目立つところでやったら!」
Aが頭上に疑問符を浮かべた。
「何故だ?爆薬はド派手にやってこそのものだろう?」
「A、地球の……少なくとも、日本では個人で火薬とか爆薬とかは作っちゃいけない事に為ってるから!」
「誰が決めた」
「えー、と……お偉いさん方?」
「私は銀河帝国の宇宙大元帥だぞ!其れを縛ろうと云うか!」
「いやでも、その……ほら……」
僕がどうやって止めようかと困っていると、彼女は僕に声をかけた。
「梶井。お前は前に爆弾を作ったのだろう?」
「え?……あ、うん」
「ならば今更罪が一つ増えたところで問題あるまい」
「そーじゃなくて!」
ああ、困ったぞ!
ラッキーアイテム
新書本
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキーSF
星を継ぐ者
44人がお気に入り
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七海の狐(プロフ) - 面白かったです!!あ、後、苗字が同じでびっくりしましたwこんな文豪さんがいるんだ…… (2018年9月12日 16時) (レス) id: 65efb440a8 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - ノアの方舟さん» 過去捏造は二次創作の基本です。梶井の過去が明かされるのはいつの日か…… (2017年8月18日 7時) (レス) id: a477fda0e3 (このIDを非表示/違反報告)
ノアの方舟(プロフ) - 読みました!とても自分好みで面白かったです!こんな感じの本が出たらなぁと切実に思いました! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 2532ff5de4 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ(プロフ) - キューブさん» それはむしろ嬉しいのですが…← 喜んで!← (2017年6月21日 6時) (レス) id: 13e2718d47 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - ねここさん» 気付いてしまいましたね……そんな貴女は残念ですが、宇宙大元帥の部下になっていただきます(嘘) (2017年6月20日 18時) (レス) id: a477fda0e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:キューブ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年3月6日 14時