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研究所にて、僕は目を覚ました。昨夜、机に突っ伏したまま眠りこけてしまったようだ。
窓から外を眺めると、だいぶん明るくなっている。
僕は机の上の、標高30cmはゆうに在る本の山の頂点から眼鏡を取ってかけた。
ぼんやりとしたまま座っていると、本棚の方から物音が聞こえた。
「梶井!梶井!!大変だ!」
A閣下の慌てた声。
彼女はぎりぎりの
「……あーあ」
「……すまない。地球の事について学ぼうと思い、本を片端から読んでいたのだが……」
申し訳ない、と云った口調で話しながら、本を棚の中へ押し込んでいた。
「……どいて」
「きゃん!」
僕はAの頭を掴んで、彼女を本棚から引き離した。
成程、元の場所へ戻そうという努力はみられるが、系統はバラバラで続き物が悲しく生き別れに為っていたり。挙句の果てに、上下が逆さまなものも……
「……梶井、どうかしたか……?」
「……もういい。僕の私物に触らないでくれ」
Aは、今までのような大胆だったり大袈裟な台詞も云わず、ただ茫然としていた。
本を整理していた僕に、小さな声で聞いてきた。
「……梶井、お前は……怒っているか……?」
聞いていないふりをする僕に、こう続けた。
「なぁ……何故、これっぽちの事で怒るのだ……?」
これっぽち、の一言が僕に刺激を与えた。
「……逆に聞くけど、君は自分の大切なものを雑に扱われても怒らないの?」
「……それは……」
彼女は口ごもってしまっていた。
僕は本棚の整理を続けた。
ごめん、と声が聴こえた様な気がした。
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七海の狐(プロフ) - 面白かったです!!あ、後、苗字が同じでびっくりしましたwこんな文豪さんがいるんだ…… (2018年9月12日 16時) (レス) id: 65efb440a8 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - ノアの方舟さん» 過去捏造は二次創作の基本です。梶井の過去が明かされるのはいつの日か…… (2017年8月18日 7時) (レス) id: a477fda0e3 (このIDを非表示/違反報告)
ノアの方舟(プロフ) - 読みました!とても自分好みで面白かったです!こんな感じの本が出たらなぁと切実に思いました! (2017年8月17日 23時) (レス) id: 2532ff5de4 (このIDを非表示/違反報告)
ねここ(プロフ) - キューブさん» それはむしろ嬉しいのですが…← 喜んで!← (2017年6月21日 6時) (レス) id: 13e2718d47 (このIDを非表示/違反報告)
キューブ(プロフ) - ねここさん» 気付いてしまいましたね……そんな貴女は残念ですが、宇宙大元帥の部下になっていただきます(嘘) (2017年6月20日 18時) (レス) id: a477fda0e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キューブ | 作者ホームページ:
作成日時:2017年3月6日 14時