共依存２【三途春千夜】

正しい ページ5

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「っ、私が行く」

走り去ってしまったその男を追うようにAも路地裏を跡にする。なるべく1人にさせたくなかったが以前のように暴走することもないだろうし万が一があろうともGPSがあるから大丈夫だと判断した俺はその場にいる男を仕留めることに集中した。

「テメェまじでやってくれたなぁおい、」

男の口内に銃を突きつけ喋る事も抗う事も出来ないように身体を縛り付ける。俺は苦しげにもがく男の顔を見たいわけでもない、だがその男が俺に何かを言おうとしているのが分かった頃には口内から銃を離しいつも通りその男に最後に言い残すことはと聞く。


「…あの女、先月起こった渋谷連続殺人事件の重要指名手配犯だろ」


口内から銃が無くなり噎せながらそう言葉を零す男に俺は微かに顔を顰め引き金に触れている人差し指に力が入る。


「…そうだと言ったら？」


「なんであの女が捕まらないのか俺は今でも分からねえ」


「さあな、首領もサツをどう脅したかは教えてくれねえんだよ、まあ何にせよあいつの罪は帳消しとなった訳だ」


「っくそ、あの女だけは…っ許せねえんだよ！！」


「あ？」


「あいつはあの日オレの家族を殺した…っ！」


そう言い泣き叫ぶ男に更に顔を顰めた俺は自分の口に人差し指当て静かにしろという合図を送った。まあこれから死体になる奴の言い分なんて聞く価値もないし何よりAがこの男の言葉を聞かなくて良かった。俺はとどめを刺そうと男の額に銃口を突きつける。


「あの女は一生逃げれねえ！オマエらの権力で罪を帳消ししたって関係ねえんだよッ！！」


「あ"ー、うるせえ」


「元々警察なんて当てにしてねえ！時期にオレらの仲間総勢400人があの女を殺す為に今後動き出す！！」


「あ？」


「いいか、オレらは必ずあの女を殺す…っ！」


「……」


俺はそう言い残した男に向かって引き金を引くとその場に倒れた男の顔を見下ろす。予想外ではあるがAを殺そうと動くやつが居たとは。まあ首領に報告すればそんな団体も一瞬で皆殺しだが問題はこの事がAにバレると非常にマズイということである。あの事件がフラッシュバックしてしまうだろうし責任を感じて俺の元から離れられても困る。随分と面倒な仕事が出来たものだ。俺は軽くため息をつき血で汚れた服に舌打ちをしながらその場を後にした。




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