スキ、好き。 ページ35
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目の前に倒れている男を他所に思いっきり腕を引っ張られ路地裏へと連れて行かれたAは何も言葉を発しない彼の背中に不安な気持ちが募る。
やがて彼の足が止まったと同時に「な、んでここに…」と言葉を繋ぎ合わせるが彼に腕を引かれ強引に抱き締められたAは抵抗しようと身を捩らせる。
「ちょ…っと、春千夜離し…」
「好き」
彼の言葉に目を見開いたAは身体が固まり何も言葉を口に出せずに彼に抱き締められたまま時が過ぎる。
「お前がアイツらの所に行くのも俺の傍に居ないのも全部うざったくて仕方ねえ」
「な、に言って…」
「お前が居ないと俺は何も出来ねえ、本当に好きなんだ、どうしようもなく。」
そう言った彼は更に抱き締める腕に力が入りAの首筋に顔を埋めまるで子供のように彼女に縋る。
彼の言葉に目を見開いたAは時期に目から涙が溢れ止まることの無い水滴に彼の背中に手を回し力強く抱き締める。
「ばか…」
そう言って彼の胸板に頭をくっ付けるAは抑え切れない泣き声を静かに零し彼の身体に縋る。
「会いたかった、」
「俺も」
彼女の身体から手を離した彼はAの頬に指を滑らせ優しく口付けを落とす。唇を離し額をくっつけ合った彼らはもう一度口付けを零し深いキスに身を捩らせる。「ずっとお前にキスしたかった」そう言って苦しそうにAに縋る姿を見た彼女はふっ、と優しく笑い「私も」と言って足りないくらいのキスを二人で落とし合う。
「愛してる」
そう言ってAを抱き締める彼も苦しい程に彼女に依存していて手放せない存在になっていた。二人が紡ぐ愛が拗れて絡まりあって時期に繋がりあって。歪な愛が彼らを紡いでいたが互いが互いを必要としている共依存が彼らにとっては純愛だった。これからも二人はお互いに溺れて堕ちて愛していく。
『私は君と永遠に愛を誓い合いたい。』
Fin_
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レモン(プロフ) - みーさん» 素敵なコメントありがとうございます。自分も千冬と誕生日近いのでもしかしたら主様とも近いのかも知れません…!ぜひTwitterなどでお祝いさせてください。主様が何事にも頑張られている姿に少しでもお力添え出来るような作品になりますように。 (2021年8月30日 7時) (レス) id: 5c842a307a (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - miuchapinさん» 素敵なコメントありがとうございます。蘭の小説、連載中のもの以外にも考えておきますね…!新作もぜひご愛読くださいませ。 (2021年8月30日 7時) (レス) id: 5c842a307a (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 葛藤しながらも毎日更新している、努力されている所本当にすごいと思います。レモンさんの作品大好きです!千冬くんも推しで、自分の誕生日とも近いので楽しみです(*´-`)これからも応援してます! (2021年8月30日 0時) (レス) id: 9cd12cdcb5 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 完結、お疲れ様でした…!メリーバッドエンドに向かってるのかな、と思いきやハッピーエンドで涙が出そうになりました。小説ではないんですが、私も競争で他人と比べて、毎日自己肯定感が薄れていっているので気持ちはすごく分かります。文字数足りないので分けます… (2021年8月30日 0時) (レス) id: 9cd12cdcb5 (このIDを非表示/違反報告)
ha(プロフ) - 完結おめでとうございます!この作品を読んで作者様の言葉選びや展開の運び方が素敵で、他の作品も読む手が止まらなかったです。沢山葛藤もあった中完結させてくださったことに感謝を伝えたいです。私の推しである千冬のバースデー作品楽しみにしております! (2021年8月30日 0時) (レス) id: 37c839e9ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レモン | 作成日時:2021年8月7日 22時