君がいない夜 ページ27
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「あの…お風呂、ありがとうございました」
そう言って彼に借りたパーカーを着たAは太腿の半分程まで隠れていて濡れた髪の毛をちらつかせながら彼の方を向く。
「おー温まったか？」
はい、Aがそう言うと彼はソファーから立ち上がり「じゃあオレも風呂入ってくっから、適当に座ってろ」と言う。他人の家など入ったこともなかったAはぎこちない雰囲気に目を泳がせそっとソファーに腰掛けた。彼の服から香る柔軟剤の匂いと温かさに心が満たされるような気がして酷く安心する。
時期に彼も風呂から上がり少し湿った髪の毛をタオルで拭きながらAの方へと歩いてくる。Aの向かい側に座った彼はAに飲み物を渡し「…で？次はなんで傘もささずに家出してるわけ？」と聞く。
「春千夜が薬飲んでたから止めようと思ったけど喧嘩して…それで出てきた」
「オマエって毎回傷だらけでオレの目の前に出てくんだな」
彼女の首に絞めつけられたような痣がありその傷をちらりと見た千冬は顔を顰めじっと彼女の方を見つめる。
「…オマエはこれからどうすんの？」
「今は春千夜には会いたくない…」
「仕事とか他の奴らは？」
「仕事は昨日全部終わらせてきたから大丈夫、携帯も置いてきたから連絡は来ないと思う」
そう言って下を向くAを見た千冬はしばらくの間黙り込むと時期に大きなため息をつき、「分かったよ」と言う。
「この家居させてやる代わりにちゃーんと言うこと聞けよ」
「…言うこと？」
「しっかり寝て腹いっぱい食え」
「…え？」
「大体、オマエは細っちいし軽すぎんだよ」
「あとオマエまともに寝てねえだろ」そう言ってAの方を見つめる千冬に意味がわからない様子で間抜けな返答をするAは目を見開く。
「…いいの？」
「今回だけ特別だからな！家事とかちゃんとやれよ」
厳しくそう言う千冬に、「分かった」と言って柔らかく微笑むAに目を見開いた千冬は顔を赤らめ咄嗟に視線を逸らす。
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レモン(プロフ) - みーさん» 素敵なコメントありがとうございます。自分も千冬と誕生日近いのでもしかしたら主様とも近いのかも知れません…！ぜひTwitterなどでお祝いさせてください。主様が何事にも頑張られている姿に少しでもお力添え出来るような作品になりますように。 (2021年8月30日 7時) (
レス) id: 5c842a307a (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - miuchapinさん» 素敵なコメントありがとうございます。蘭の小説、連載中のもの以外にも考えておきますね…！新作もぜひご愛読くださいませ。 (2021年8月30日 7時) (レス) id: 5c842a307a (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 葛藤しながらも毎日更新している、努力されている所本当にすごいと思います。レモンさんの作品大好きです！千冬くんも推しで、自分の誕生日とも近いので楽しみです(*´-`)これからも応援してます！ (2021年8月30日 0時) (レス) id: 9cd12cdcb5 (このIDを非表示/違反報告)
みー(プロフ) - 完結、お疲れ様でした…！メリーバッドエンドに向かってるのかな、と思いきやハッピーエンドで涙が出そうになりました。小説ではないんですが、私も競争で他人と比べて、毎日自己肯定感が薄れていっているので気持ちはすごく分かります。文字数足りないので分けます… (2021年8月30日 0時) (レス) id: 9cd12cdcb5 (このIDを非表示/違反報告)
ha(プロフ) - 完結おめでとうございます！この作品を読んで作者様の言葉選びや展開の運び方が素敵で、他の作品も読む手が止まらなかったです。沢山葛藤もあった中完結させてくださったことに感謝を伝えたいです。私の推しである千冬のバースデー作品楽しみにしております！ (2021年8月30日 0時) (レス) id: 37c839e9ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2021年8月7日 22時
