◆ ページ19
ある良く晴れた日。
騎士である父を目指し普段から励んでいた訓練帰りのことだった。
両眼に違和感を覚えたのは。
最初は、少しどこかむず痒いような感覚だった。
何か異物が入ってしまったのか、身体が疲弊しているのか。
どちらにせよ、放っておけば勝手に治ると思っていた。
そんな考えとは真逆に、徐々に襲ってくる痛み。
無防備な眼球はまぁなんと弱いもので、生理的な涙が湧いてくる。
iw「ッ…何だよこれ……！」
骨折と同等程度だったその痛みは、耐え切れないほどでは無かった。
だが、長い。
既に数十分経っているのに一向に引かないそれは、じわじわと奥深くまで伸びていた。
冷やせば痛みが和らぐのではと思い、家に着くなり挨拶もせず洗面所へと向かった。
iw「………え？」
洗面所の鏡に映った自分を見て、何かが違う感覚を覚える。
＿＿＿俺の眼、こんな色だったか？
大部分は元々と同じく特に変わった様子はない。
だが、少しだけ、ほんの少しだけ、円の周に沿って黄味がかった様な色に見えた。
いや、そんな色である筈がない。
信じることなんて到底できなかったものの、確かに自らの眼は鮮やかな黄色を放っていた。
じっと長く見つめれば、少しずつ黄が内側に侵食していく。
王国兵に見つかり馬車に乗る頃には、元の色は跡形もなく消え去っていた。
馬車を降りてすぐの場所でサルファーを待ち受けていたのは、大司教であった。
いまいち状況が掴めぬまま“アメジスト様をご紹介します”と言われ案内されるがまま後をついて行けば、他の施設とは打って変わって、ボロボロで陰湿な雰囲気が漂う小さな離れに来た。
とても人がいる様な場所には見えない。
「すみません、ちょうどアメジスト様は少しおいたが過ぎてしまって。この奥で反省していただいてるんですよ。」
iw「……そうなんですね。」
ようは懲罰房的な何かということか。
それにしてもこんなところじゃ環境が悪過ぎやしないだろうか。
「はっ、大司教さま…！サルファー様まで…！」
奥の部屋へと辿り着けば、大司教とは少し異なる祭服を着た相手が急いで自分達に道を譲る。
先をゆく大司教の後ろから覗くようにすれば、一人の少年が床を見つめているのが目に入った。
自分と同じくらいの歳の、華奢で色白い少年。
服は高価なものだが両足には子供には似合わない足枷。
どこか異様なこの状況に、サルファーは不審感を抱かざるを得なかった。
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そら。 - お忙しい中リクエストに応えていただきありがとうございました！まさに読みたかった場面で感動です…。これからも頑張ってくださいね、応援してます！ (2021年1月31日 22時) (
レス) id: c6c4969a03 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - そら。さん» 大変遅くなりました、リクエスト書かせていただきました…！全4話構成となっておりますので、是非読んでいただけたら幸いです！ご希望に添えていればいいのですが、、是非これからもこの作品をよろしくお願い致します！ (2021年1月31日 17時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - Rawさん» こちらこそです！！！かなりお話が長くなってしまいました、(笑)え、是非是非！！！リクエストいつでもお待ちしております！いつもこの作品を本当にありがとうございます！ (2021年1月11日 11時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
Raw(プロフ) - れいあさん» 今回もリクエストに応えていただき、本当にありがとうございます！今回のお話も本当に凄いです！！また機会がありましたらリクエストしてもよろしいでしょうか、、？ (2021年1月3日 23時) (レス) id: c8dae37643 (このIDを非表示/違反報告)
れいあ(プロフ) - Rawさん» 遅くなり申し訳ありません、目黒くんのお話書かせていただきました…！中々ご希望に添えているか不安ですが、出来る限りやったつもりなので是非読んでいただけたら幸いです。リクエスト2度も本当にありがとうございました(泣) (2021年1月3日 20時) (レス) id: dccccf6903 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：れいあ
| 作成日時：2020年12月12日 8時
