職業：女優１０

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「あー、俺何でこんなヤツとつるんでるんやろ」


「好きやからちゃう？」


「彼女にはしたないけどな」


「気が合うな。私も自分みたいな彼女とか絶対嫌やわ」


「どこが嫌なん？」


「性格？」


「わかる」


「いや、そこは「そんなことないで」とか言ってよ」


「ならその性格どないかせぇや」


「今更？ 無理無理」



２２年生きてきて、今から性格変えれるか。
変える気もさらさらないけどね！



「はー、お亮に同情するわ」


「亮ちゃん女の趣味悪いから」


「否定はせんな」



わっかりやすーくあざとい女が好きだからね、亮ちゃんは。
悪い女に騙されなきゃいいなと思う。
私が言うのもなんだけど。



「って言うかさっきからすっごいバカにしてくるけど、私これでもモテるんやで？」


「それは知ってる」


「でも彼女にはしたないんやろ？」


「やめとくわ」


「昔は好きって言ってくれたのにー」


「俺の黒歴史や」


「黒歴史は酷ない？」



もう何年も前の話だけど。
まーくんは私を好きだと言ってくれたことがある。


ただその頃の私は悟と別れたばかりで、もう恋愛なんて懲り懲りだと思っていて。
まーくんはそれに気付いていた。
気付いていた上で



「付き合いたいとか言わんから、一緒におらせて？ ちょっとは気が紛れるやろ？」



そう言って、傷ついた私の側にいつもいてくれた。
そしてそのまま時が流れて、今に至る。



「あの頃はもっと優しかった気がするんやけど？」


「そりゃ失恋して傷ついた子に優しくするんは当然やろ」


「今も優しくしてよー」


「え、お前まだ引きずってんの？」


「いや、全然」



さすがにそれはないわ。
だって何年前の話よ、引きずってるわけなくない？


躊躇なく言ったら、まーくんにすっごい冷たい目で見られた。
心外な。

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