職業：女優６

新年 ページ33

「さむーい！！」


「寒いね」



マリちゃんの無事も確認出来て、そろそろ人も減ってくる頃かなってところで亮ちゃんと初詣に出掛けた。
寒いってわかってたから防寒対策はバッチリしてきたはずなのに、それでもやっぱり外は寒い。
あー、こたつが恋しい。



「亮ちゃん、寒い」


「ん」



隣を歩く亮ちゃんにそう言うと、私の手を握ってコートのポケットに入れた。



「あったかい？」


「うん」



素直に頷くと、キラキラ笑顔を向けられた。
２０１９年も顔もやる事もアクセル全開でイケメンだな、この人は。



「ちょっと寝てから実家帰るんでしょ？」


「うん、Aも来る？」


「いやいや、行かないよ」


「なんで？ みんな会いたいって言ってるよ？ Aもミルに会いたいって言ってたじゃん」


「ありがたいし、皆さんにもミルちゃんにも会いたいけど、元旦くらい家族水入らずで過ごしなよ」


「Aならいいのに」



嫁でも彼女でもないのに元旦に実家は遠慮しとくわ。
さすがにちょっと緊張するし、亮ちゃんの家族も気を使うだろうし。



「代わりにミルちゃんの写真送ってよ」


「わかった、いっぱい送る」
　

「楽しみにしてるね」



そう言って笑ったら、亮ちゃんはポケットの中の私の手をぎゅっと握る。

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