78話 ページ39
ミ「馬鹿なことはおやめなさい!貴方が飛び込んで何になると言うのですか!」
ス「離してください!!私ならなんとかできますから!」
ミ「スカイ……」
ス「お願い、信じて!早くしないとマリーが」
言いかけた言葉を途中で飲み込んだ
いや、遮られた
パンッ
乾いた音には現実味が無くて
一瞬自分が何をしていたかさえ忘れそうな
頬の熱さだけが意識を占めている
少し経ってから、彼に頬をはたかれたのだと理解した
ス「ミキエ……」
ミ「いい加減にしてください」
先程のような怒った声でなく、押し殺したような悲しげな声だった
あまり感情を表に出さないこの人の
剥き出しの思いが肌で感じるくらいにビリビリと伝わってきて、不思議な感覚に陥った
ミ「自分に何かできるとお思いですか。崖下数十メートルの川に着地して、溺れることなく彼女と共に生還できると?そんなの」
神様にしか、できないんですよ
痛ましい声
そう言ってから、何かから耐えるように俯いた。私より少し背の低い彼の表情は見えないけれど、容易に想像できる。
私は天使だから、翼があるから
なんて返せなかった。天使だからと言って、怪我をしないわけじゃない。
死は存在しなくとも、裏返せばそれは死ぬ程の怪我を負っても死ねないということだ。
彼はきっとそれを望まない。そう思ったから、口に出せなかった
ミ「気持ちはわかります。それでも、私達にはできないのです。わかってください」
ス「……」
私はふらふらと崖の縁から、下を覗きこんだ。崖の下は言うまでもなく濁流で、それに飲み込まれたであろうマリーはもう見えなかった
ああ
何も考えられない
目からこぼれていく何かは
しばらくして、雨と涙の混ざりあったものだと気づいた
いつの間に降りだしていたのだろう
この雨がなかったら、あの子は足を滑らせて落ちずにいたのだろう
そう思うと、どうしてもやるせなくて
ミキエルが気付く前に動けなかった自分が嫌で
止めたミキエルにも腹が立って
そんなこと考える自分が嫌で嫌でしょうがなくて
雨か涙か区別がつかないほどに顔を濡らしながら、私は絶叫した
そして、
─────あれが起きたのだ
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栗狐(プロフ) - フォローありがとー(*´-`*)ゞございましたです(*^-^*)いまからフォローしてきます(゚∀゚*)(*゚∀゚) (2018年7月16日 13時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
笹乃葉(プロフ) - 栗狐さん» うわぁぁぁぁぁぁありがとうございます!!!!失礼ですがフォローさせていただきました!!!楽しみにしてます!!!!! (2018年7月16日 13時) (レス) id: f7209ee17f (このIDを非表示/違反報告)
栗狐(プロフ) - 大丈夫ですよー(´▽`)気に入っていただけてよかったです!これからもちょこちょこ投稿するのでよろしくお願いいたします(っ´▽`)っ (2018年7月16日 13時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
笹乃葉(プロフ) - 栗狐さん» 昨日疲れてそのまま寝てしまったので今見ました!!素晴らしすぎか……!?皆かっこよすぎですかもうありがとうございます!!!!!URLこっちに貼って大丈夫だったりしますでしょうか!? (2018年7月16日 13時) (レス) id: 00d128c491 (このIDを非表示/違反報告)
栗狐(プロフ) - そのあとも制服姿等、学パロイラストも混ぜていきたいと思います!(*^-^*)よろしくお願いいたします(゚∀゚*)(*゚∀゚) (2018年7月16日 8時) (レス) id: d357ac031b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:笹乃葉 | 作成日時:2016年3月26日 17時