夏祭り�� ページ7
貴「わーーーい！！！りんご飴！久々ー！！！」
そ「300円でここまで喜んでくれると奢りがいがあるね。今まで食べてこなかったの？」
さっそく、最初の獲物であるりんご飴に狙いを定めていると、なぜか露天のおばさんが怪訝な目で見られた。それに溜息をつきながら黒髪さんが奢ってくれたという話なのだがまぁ置いといて
貴「実家が神社だったでしょ。いっつも手伝いに出されてたから、祭りと言えばおばあちゃんが大量買いしてきたソーダだね！」
そ「あー、アイスもありそう。いかにもって感じだねぇ」
それもそれでいいけど、なんていちご飴をかじりながら黒髪さんは答える。そう思うとお祭りの露店なんて、本当に小さい頃以来かもな
貴「あれ、白髪は？どこ？」
そ「まふなら多分……」
言い終える前に、「あ、いた」と気の抜けた声がした。くるりと振り返ると、3秒くらい固まる羽目になった
そ「……想像以上に買ったね、お前」
ま「気のせいです！あ、たこ焼き食べます？」
貴「おっまこの短時間でどうやってそこまで回った！？私より満喫してんじゃねえかふざけんな！わたあめ寄越せー！」
ま「そっちは1つしかないからダメ！イカ焼きでも食べてろ！」
狐のお面、たこ焼き、ビニール袋の様々な食べ物、イカ焼き、わたあめ、金魚すくい……その優秀さ、ここで出すか！？
狐のお面は頭の右をかけるという、なんとも祭り上級者の風格だった。ただでさえ顔がいいし背高いのにこれ以上目立つなよ……女子の視線が痛いのよ
ま「そらるさん、あっちに射的ありましたよ！行きません！？」
そ「えー、オレかき氷食べたい」
ま「じゃあかき氷行ってからで！あ、はいベビーカステラ」
貴「態度の差についてはもう何も言わないけどさ、私の扱い雑じゃない！？エサ与えれば黙るとか思ってない！？美味しい！」
ちゃんと小袋でバリエーション豊富なところさすがだ。さすがなんだけど……お前絶対祭り初めてじゃねえだろ！これが初犯とか考えられんわ！
というツッコミを抑えつつ、二人の後をもぐもぐしながらついて行く
ハイテンションな白髪に、言葉は素っ気なくても楽しそうな黒髪さん
この二人と来れて良かった、なんて言葉はカステラと共にごくんと飲み込んだ
カスタード入りのカステラは少し甘すぎたけど、存外悪くないな
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作者名：笹乃葉 | 作成日時：2022年8月25日 9時
