9-3 side:K ページ30
9-3 side:K
「んむっ、あん・・・んっ・・・！！」
「んっ、可愛い、ミツ・・・」
玉が何度も舌を絡ませるキスをしてくれるので、俺は恍惚の表情を浮かべて、夢中でその口づけに応える。
「はぁっ、あっ・・・玉ぁ・・・！」
「ミツ・・・」
唾液の糸で唇を繋ぎながら、ゆっくりと玉が妖艶に微笑み、一度俺から身を離した。手早くスーツを脱ぎ捨てていく姿を見て、俺は先日も見ているはずの玉の肉体に、俺はベッドに横たわったまま思わず釘付けになってしまう。色白なのにしっかりと筋肉がついていてひ弱な感じを見せない逞しくてしなやかな身体――
「ミツ・・・初めて会った時も、そんな熱視線で俺のこと見てくれてたよね」
「あ、あの・・・うん・・・綺麗だなぁって・・・」
「俺とミツがこうして結ばれることは、きっと出会ったあの瞬間から決まってたんだよ・・・」
玉がすべての身に着けていた物を外して、最後にネクタイを解き、そのまま今度は俺のベルトに手をかける。カチャ、とバックルが外れ、ジッパーが下ろされると、俺は緊張で身体を強張らせてしまう。玉は優しい手つきで、俺のズボンと下着を俺の足から抜いた。
「ああっ、んっ！」
「さぁ、緊張を解いてあげるね」
俺に全部任せて、と玉は俺の両足を広げさせたまま、俺のモノを握り、ゆっくりと扱き始める。巧みな手解きに俺はあっという間に自分が昂っていくのを感じて、両手で口を抑えながらその快楽に身を委ねる。
「・・・や、ん・・・ああん・・・」
「気持ちいいでしょ？ミツ・・・もう達しちゃいそうだね」
触っているだけなのに、と玉は何度も俺自身を手の中で擦り上げ、時折先端に爪を立てるようにして刺激を与えてくる。俺が達しそうになると、玉は俺に顔を近づけてニヤリと微笑んだ。
「ミツ、イきたい？」
「・・・うん・・・あっ！やぁっ！！」
根元をギュッと抑えられ、俺は思っていた快感が止まってしまい、思わず悲鳴をあげてしまう。
「ミツのおねだりをちょーだい」
「あぅ、た、玉・・・！」
唇をちょっと突き出して微笑む玉を見て、俺は望まれていることを察して両手を伸ばし頬に触れる。
「・・・もっと、きて、玉・・・！」
グッと自分の眼前に顔を寄せてくる玉――本当に綺麗だ。一瞬で目を奪われたあのクラブのレーザーライトの中、華麗に踊る姿が甦る。玉の言うようにこれは俺と玉が出会った瞬間に始まっていた。
――藤ヶ谷のシナリオ通りに・・・！
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2020年3月9日 0時
