7-24 side:K ページ48
7-24 side:K
「ん？どうしたの、ミツ？」
「いや、何でも・・・ちょっとくしゃみ出そうになっちゃって、っ！！」
心配かけてごめんね、と目の前に本人がいるわけでもないのに、俺は小さく笑顔を取り繕ってしまう。そして、俺は首だけを振り返らせた。玉にバレたら終わりなのに――何で藤ヶ谷は俺に身体をこんなに密着させてきているんだろう。シャツの上から胸の飾りを探られて俺は身体をしなやかにくねらせてしまう。
「大丈夫？風邪とかじゃない？」
「う、うん、デート楽しみだから、ぁ、風邪だなんて言ってられないよ！」
早く会いたい、と呟くと、嬉しいよミツ、という玉の甘い声が返ってくる。けれど、俺はもっと甘い藤ヶ谷の不埒な指先に気を取られそうになっている。腰を優しく掴んでいた指先が、ゆっくりとその下を擦り始める。
「ねぇ、ミツ・・・俺のこと好き？」
「えっ、ええっ！？どうしたの、急に・・・」
恥ずかしいよ、と俺が困っている様子が電話越しも伝わったのか、玉がクスクス笑っているようだった。
「おやすみの代わりに・・・ミツの言葉が欲しいなぁ」
「んっ、俺は・・・ぁ、玉のことが・・・す・・・！」
すると急に藤ヶ谷が俺の身体を反転させて、自分と身体を向かい合わせにさせてくる。驚きのあまり咄嗟に出そうになった声を抑え込み、藤ヶ谷を見つめた。本当にその美しい顔立ちで優しく微笑むその眼差しに吸い込まれそうになりながら、俺は――
「・・・好き・・・！」
――誰に向けた言葉か分からないまま、呟いた。
「・・・嬉しいよ、ミツ」
その電話先ではにかんでくれているような玉の声に、俺は一気に罪悪感が込みあがってきて顔を青ざめさせてしまう。早く電話を切らなければ――これ以上は良心の呵責に耐えられないかもしれない。
「ふふっ、じゃあそろそろ・・・っ！」
玉に意識を向けたその瞬間だった――表情を真剣なものに変えた藤ヶ谷の唇が自分の唇に重なった。甘くて熱い感触が一気に全身に注がれて自分の身体を駆け巡っているかのようだった。そして、唇をすぐに離しニヤッと微笑むと、藤ヶ谷の手が、俺の自身をパジャマの上から握りこんだ。
「ああんっ！！」
「ミツ！？」
さすがにまずい！と慌てて自分の口を手で塞ぐが最早手遅れだった。どうしよう、と唇を震わせていると、さらに藤ヶ谷が俺の前にしゃがみパジャマのズボンを引き下ろそうとしている。
――本当に、何を考えているんだ・・・藤ヶ谷・・・！
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年7月25日 1時
