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「そんなに夢中になったのか？」
「うーん、そうなのかもしれないけど・・・ミツを抱いた感触が残ってないんだよね」
まぁ今度のデートでじっくり思い出させてもらうよ、と玉森はジュースをグビグビ飲み干していく。
「そうだ、ガヤ。しばらくは貢ぎ物はなしでいいや」
「・・・そうか？」
「うん、ミツがいるから」
今週末は早速デートだしね、と嬉しそうに笑う玉森に、藤ヶ谷も口元を綻ばせた。千賀は？と藤ヶ谷が首を傾げて見せると、ちょっとキャラが濃いんだよね、と玉森は苦笑いをして見せる。
「今はニカと仲良くしてるみたいだから、ニカに任せてるよ」
「そうか、お気に召さなかったか」
「千賀さんは恋人って言うよりは友達って感じ。一緒にいると飽きなくて楽しいよ」
「玉の趣味はちょっとよく分からないところあるからな」
苦笑いをして、藤ヶ谷もドリンクに口をつけた。
「でもガヤは俺の好みドンピシャでミツを連れてきてくれたじゃん」
「すっかり北山が気に入ったみたいだな」
「そりゃあ、あんなに可愛くてウブで純粋で、それでいて・・・」
「ん？」
「何を秘めているのか分からない子なんて・・・そうそういないでしょ？」
玉森はフッと吐息を漏らすと、藤ヶ谷の方を向き、急に真剣な瞳で見つめた。
「ねぇ、ガヤとミツってどんな関係？」
突然玉森は藤ヶ谷の肩を抱き寄せ、藤ヶ谷の耳元に囁きかけた。藤ヶ谷は思わず眉を顰めながらも、何のことだ、と口元に笑みを浮かべて見せる。
「・・・さすがだね、ガヤ。ちょっとも動揺しないなんて」
「何の悪ふざけだ、玉」
「・・・俺はミツがバーに入ってきたときからずっと気になって視線を送っていた。ミツが俺のことを見ていてくれたような気がしたから。だから・・・ガヤとのやり取りしている姿も見ていたんだよ」
ただ口説くにしては随分距離近かったよね、と首を傾げてニヒルな笑みを浮かべる玉森に、藤ヶ谷は淡々と言葉を投げかける。
「北山とはあのバーで初めて出会った。お前に合うと思って声をかけただけだ」
現にちゃんとお前に貢いだだろう、と肩に乗せられていた手をポンポンと叩き、藤ヶ谷が離れるように合図を送ると玉森は唇を尖らせて手を離した。
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年7月25日 1時
