6-21 side:K ページ23
6-21 side:K
「北山・・・そろそろ俺もイかせて？」
見つめられていた艶っぽい瞳が急に雄の目つきに変わり、藤ヶ谷の望みを察して俺はゴクリと生唾を飲んだ。その言葉に、俺は無意識で首を縦に振っていた。この先、自分がどうなるかなんて分からない。けれど、きっと藤ヶ谷が、教えてくれると信じて――
「動くよ？」
「んっ・・・あ、あ、ああっ！」
先ほどとは違い、急激に藤ヶ谷が俺を穿つ速度が速くなり、今は俺を気遣うことなく、藤ヶ谷が自分の欲を放つために俺を貫いていることが分かる。苦しくて痛くて、でも疼く快感がそこにはあって――俺は酸素を求めるように口を大きく開けて、痺れるような衝動に喘ぎ続けてしまう。
「うっ、くっ・・・もう出る・・・！」
「やっ・・・あんっ！！あっ、ああー！」
中に注ぎ込まれる藤ヶ谷の熱い飛沫に、俺はビクッと背中を大きくしならせた。それでも、藤ヶ谷のモノはまだ固さを保った状態で、さらに深奥へと突き進んでくる。俺にもう一度身を寄せるようにしてさらに――俺は思わず藤ヶ谷の胸板にそっと触れた。
「いやぁ・・・もう・・・抜いてぇ・・・」
藤ヶ谷の欲望の逃げ道がなくて、どんどん俺の中に染みこんでくる気がして、このまま染まってしまったら俺はもう藤ヶ谷から離れられなくなるかもしれない――
「・・・もう一回抜いていいの？」
「えっ・・・あっ・・違うっ・・・んっ！」
言葉の綾への否定は藤ヶ谷の唇に塞がれて、そのまま何度もキスを繰り返す。お互いの頬に手をかけ、舌を絡めあって吸いつきあって――俺は無意識に藤ヶ谷に自分の足を絡ませてしがみついていた。
「くくっ、言葉と身体と・・・どっちが本当、北山？」
「あっ、あぅ・・・もっと・・・！！」
「身体の方だったみたいだな」
誘って、と言われ、俺は朦朧としたまま、藤ヶ谷の顔に何度もキスをして、物欲しそうにじっと見つめた。
「じゃあ、もっと・・・激しくしてやるよ」
唇を繋げたまま、腰を細かく揺り動かす藤ヶ谷――何度も何度も貫かれてイかされて、俺はうるんだ瞳を閉じて、いつの間にか意識を失ってしまっていた。深い闇に落ちる瞬間、汗を散開しキラキラと輝いて見えてしまう藤ヶ谷の悦に浸った表情が――手を強く重ね繋ぎあうことで、俺は感じて火照る身体以上に、心の中に熱い感情が沸くのを感じた。
――今だけは、本当の藤ヶ谷に触れている気がした。
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年7月25日 1時
