6-20 side:K ページ22
6-20 side:K
「ああっ、藤ヶ谷・・・俺・・・」
「・・・いいよ？」
「あっ・・・ああっ！！」
玉の付けた唇の跡を藤ヶ谷に甘噛みされて、吸いついた藤ヶ谷の唇に上書きされた瞬間に何も考えられなくなって俺は達してしまった。はぁはぁ、と酸素を求めて、何度も大きく深呼吸をする。チュッ、と藤ヶ谷の唇が俺の頬に触れ、それに呼応するように見つめると、唇を重ねられて、また吐息が乱れてしまう。藤ヶ谷の両腕がしっかりと俺を抱きかかえた。
「じゃあ、もっと・・・教えてあげるね？」
「んぁ、ああ・・・あっ、んんっ！うぁっ！」
緩慢な動きで何度も深奥を貫く藤ヶ谷の背中に必死に縋りつき、突き上げられる衝動に耐える。熱い塊に刺激を与えられる都度、熱が自分の身体にうつってくるような気がして、次第に俺は自分の身体が紅潮していくのを感じた。
「あ、ああんっ！そこ・・・やぁっ・・・！」
「・・・ここの入口付近と・・・あと、ここらへんも弱いみたいだな」
「いやっ、そんなこと言わないで・・・んあっ！」
「北山の弱いところ・・・気持ちいいところを教えてあげてるだけだよ？」
ほら、と俺を貫きながら、俺の内部の――俺自身すらも知らないような感じてしまうポイントを探る藤ヶ谷の冷静さが何となく憎い。俺だけが与えられる熱に翻弄されて狂わされてしまうような――自分でも知らなかった自分の弱くて感じてしまうスポットを易々と見つめられてしまうのも恥ずかしいことこの上ない。だけど――
――なんで、こんなに、気持ちがいいの？
探られて導かれて――教えられているはずなのに、俺はどんどん自分の見知らぬ感情に出会い、今までの自分を見失ってしまいそうだった。
「やっ！ああ、んっ！！」
「全身が感じやすいな、北山」
どこを突いてもこんなにしてる、と先ほど達した自身に手を伸ばされ、貫かれる衝動に合わせて擦り上げられると、俺は襲い来る快楽に耐え切れず、もっと藤ヶ谷の背中に縋ってしまう。それでも俺の表情を確認しながら、ひたすら絶頂へと導いていく藤ヶ谷の瞳を俺も見つめ返した。
「あんまり・・・動かないでぇ・・・」
「どうして？」
「だって・・・俺、また・・・っ、ああ・・・」
「また・・・イっちゃったね」
俺の欲望に塗れた手を、ペロッと眼前で舐める仕草――あまりにも背徳感に満ちた扇情的な小悪魔から、俺は自分が達した恥じらいも忘れて、目を逸らせずにいた。
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作者名：ほわわ
| 作成日時：2019年7月25日 1時
